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2020年11月7日

【主張】出産育児一時金 実際の負担に応じて増額を

子どもを持ちたいという希望がかなうよう、出産にかかる経済的な負担を軽くすることは重要だ。

政府は、健康保険の加入者が出産した際に受け取る出産育児一時金を、現在の42万円から50万円を目安に増額する方向で検討を本格化させる。田村憲久厚生労働相が先週の記者会見で表明した。

出産育児一時金を50万円に引き上げることは、公明党が昨年の参院選重点政策などで主張してきたものだ。政府には実現を強く求めたい。

厚労省によると、昨年の出生数は86万5234人で、前年に比べ5万3166人減少し過去最少を更新。1人の女性が生涯に産む子どもの推計人数を示す「合計特殊出生率」は1.36と4年連続で低下した。

少子化対策は、わが国の重要課題の一つにほかならず、安心して子どもを産み育てられる社会をめざす必要がある。そのためにも、経済的な支援策を強化することは欠かせない。

国民健康保険中央会によると、2016年度の出産費用(正常分娩)の平均額は約50万6000円で、都道府県別でみると、鳥取、沖縄、熊本の3県を除く44都道府県では42万円を上回っており、自己負担が生じている。

こうした現状を踏まえれば、出産育児一時金を引き上げる意義は大きい。

公明党は、出産費用の負担軽減に一貫して取り組んできた。1994年の出産育児一時金の創設を推進し、30万円で始まった支給額も、2006年に35万円、09年1月に38万円、同10月に42万円へと段階的に引き上げてきた。

42万円に増額した際には、手続きの簡素化も実現した。それまでは、出産費を全額自己負担で医療機関に支払い、その後、医療保険から一時金が支給される仕組みだった。これを、医療保険から医療機関に直接支払われるように改善した。妊産婦ら当事者の立場で考えた公明党らしい実績と言えよう。

海外に目を転じれば、出産にかかる費用がほぼ無料のスウェーデンやノルウェーは高い出生率を維持している。日本も、出産費用の現状に見合った出産育児一時金の引き上げを急ぐべきだ。

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