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岡山、広島両県 仮設への入居進む
西日本豪雨3カ月
長期化する避難生活
健康不安、住宅再建が課題
党広島県本部の議員は仮設住宅で暮らす被災者の激励を続ける=4日 広島・坂町
西日本豪雨災害の発生から、きょう6日で3カ月となった。岡山、広島両県の住宅被害は、全半壊がそれぞれ約7900戸、約4300戸に及び、今なお多くの被災者が自治体の避難所や応急仮設住宅などでの生活を余儀なくされている。
「夜になると誰かのすすり泣きが聞こえてくる。眠れない。ささいなことですぐけんかになる。みんな、ストレスがたまっていた」。岡山県倉敷市真備町地区の宮本高秋さん(73)は、3カ月に及んだ避難所での生活を振り返ってこう語る。
現在も避難所に身を寄せる人は、岡山県で370人、広島県で53人に上る。不自由な避難所生活が長引き、被災者の心と体の健康面での懸念が広がっている。
被災地では建設型仮設住宅の入居が順次、始まっている。岡山県では312戸の整備が予定され、同市船穂町の仮設住宅に住む80代の夫婦は「思ったよりも立派。安心した」と話す。一方で、全壊した自宅から離れた同市真備町地区の仮設住宅に入居した男性(48)は「子どもの通学が遠くてかわいそうだが、辛抱してもらうしかない」との声も。広島県では209戸が建てられた。仮設住宅に移った同県坂町の加藤常忠さん(78)は「入居期間は2年間。その先はどうなるか何も分からない」と不安を語る。
避難所に残るか、仮設住宅に移るか。それは、住宅再建の方法によって異なってくる。災害救助法に基づく住宅応急修理制度(58万4000円を上限に公費負担)を利用して被災住宅を修復する場合、仮設住宅には入居できない。この制度を活用する同県三原市の佐伯博文さん(58)は「家を修繕し、家族4人でもう一度住みたい」と、今も避難所での生活を続けている。また、自宅の1階が完全に水没した前出の宮本さんは「仮設住宅に入居できる2年間で、自宅をリフォームする。真備からは離れたくない」と故郷の復興を心待ちにする。
長期的な住まい確保の見通しが、今なお立たない人が少なくない。被災者の住宅再建をどう支えていくかが大きな課題となっている。