ニュース
マンホールトイレ
普及促進を全国に通知
国交省、内閣府 災害時の避難所改善で
西村官房副長官(当時、中央)に提言を申し入れる党復興・防災部会など=9月9日 首相官邸
国土交通省と内閣府は23日、災害時における避難所の環境整備を図るため、市町村にマンホールトイレの整備を検討するよう求める通知を初めて出した。普及促進をめざす。
マンホールトイレは災害時にマンホールのふたを外して簡易トイレを置き、テントで覆って使用するもの。排せつ物が下水道に直接流れて衛生的であるほか、地面と段差なく設置できることから、車いす利用者らのバリアフリー対策としても有効だ。
だが、2018年度末時点で整備済みの市町村は3割ほどで、総数も約3万2500基にとどまる。マンホールトイレの先進自治体とされる宮城県東松島市の下水道担当者は「下水道部門だけで自発的にやるのは難しい」と指摘する。
通知では、自治体の下水道と防災の両部門が連携して整備を検討するよう市町村に要請。設置方法や先進事例を示したガイドラインや、下水道管の避難所までの延伸など整備費を支援する防災・安全交付金の活用を促し、普及につなげる考えだ。
公明党はこれまで、各地の地方議員が議会質問などでマンホールトイレの設置を提案。また、党の新たな防災・減災・復興政策検討委員会と復興・防災部会は9月9日、西村明宏官房副長官(当時)に対して、21年度予算の概算要求に向けた提言を行い、事前防災対策として設置の推進を主張するなど、党の議員ネットワークを発揮し、普及に取り組んでいる。