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コラム「北斗七星」
世界では、全ての人が十分に食べられる量の食料が生産されているという。それでも飢えに苦しむ国や地域は後を絶たない。きょう10月16日は国連が制定した「世界食料デー」。飢餓や食料問題を考える日である◆国連食糧農業機関(FAO)によると、世界人口の9人に1人に当たる8億2000万人以上が飢えや栄養不良に直面。その裏側では、世界で生産された食料の3分の1に当たる13億トンが毎年捨てられている◆国連の持続可能な開発目標(SDGs)は「飢餓をゼロに」と掲げ、2030年までの実現をめざす。今年のノーベル平和賞には、飢餓に苦しむ人のために各地で食料支援を続ける国連機関の世界食糧計画(WFP)が選ばれた。国連中心の多国間協力への期待の表れだ◆一方、国内の食品ロスは年間612万トン(17年度)。毎日、国民1人当たりお茶わん1杯分の食べ物を廃棄している計算である。これに対し、公明党の推進で食品ロス削減推進法が制定。今月で施行から1年を迎えた◆さらなる削減へ、日本は食料の6割以上(カロリーベース)を輸入していることを思い起こしたい。他の国の誰かが口にすべき食料を簡単に捨ててはいないか。「もったいない」。04年にノーベル平和賞を受賞したケニアのマータイさんが広めてくれた日本語で家庭を再点検してみよう。(東)