ニュース
コラム「北斗七星」
「うーん、分かんない」。メールを見ながら家人がぼやく。最近、加わった趣味のグループは若い世代が多い。理解できない言葉づかいがけっこう、あるようだ◆先日、発表された「国語に関する世論調査」(今年2~3月調査 文化庁)によると、婚活などの「~活」という表現について、「気にならない」と答えた人が9割を超えた。2000年前後から使われ出した就職活動の短縮「就活」が始まり。08年に結婚活動を略した「婚活」がベストセラーの本のタイトルになって以後、「~」が示すことに向けて努力・行動するという意味の「~活」が次々と世に出た◆パワハラなどハラスメント(嫌がらせ、いじめ)を略した「~ハラ」なども8割を超えたが、じっと見つめることを表すガン見など「ガン~」は5割台にとどまった。中高年の拒否が高いせいか◆さて、国語が「乱れていない」と答えた人が調査ごとに増え、今回は3割を超えた。理由は「言葉は時代によって変わる」「いろいろな言葉や表現がある方が自然」など。そのように言葉の変化を許容する割合が、10~30代と並んで70歳以上も3割を超えたのは興味深い◆「分からない人がいる、ということを分かって書いてほしいわよね」とぼやきは止まらない。通じてこそ言葉なのだから。(繁)