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2020年10月5日

重要性増す「住まいと福祉」

持ち家前提 転換が必要 
住居確保が難しい人に賃貸の“安全網”構築を 
日本大学 白川泰之 教授に聞く

生活困窮者に対する居住支援をはじめ、住まいと福祉の連携の重要性が増している。その背景や取り組みを進めるための課題などについて日本大学文理学部社会福祉学科の白川泰之教授に聞いた。

日本大学文理学部社会福祉学科・白川泰之教授

――居住を巡る現状と課題は。

1968年以降、年齢階層別の持ち家率は60歳以上の世代が約8割を維持している一方、下の世代はいずれも低下傾向にある。今後、賃貸住宅の重要性が増すことを示しており、持ち家メインの地域社会を前提とする現在の福祉政策の転換が求められている。

――どうすればよいか。

困窮者への在宅福祉の多くは、住んでいる状態が前提だが、住居の確保自体に困る人も少なくない。家主が安心して住居を貸せるようにするため、国土交通省の「住宅供給」と厚生労働省の「在宅福祉」の連携を一層強化して政策を融合させた「居住セーフティーネット(安全網)」へと発展させなければならない。

居住のあり方について、これまでは持ち家か賃貸か、家族と同居か独居かなどの「二者択一」になる傾向があったが、そうならないような第三の選択肢を創造していくべきだ。そのために、住まいに困る人向けの社会的な資産として位置付けられる住居を設けたりといった、制度の隙間を埋める施策が大事になる。

困窮者への居住支援 複合的な悩み解決の入口

――市町村の取り組みについては。

市町村の福祉部門の半数近くが居住支援ニーズに対応できていないとの調査結果がある。居住支援団体では、相談者の入居につながらなかった要因で最多なのが「相談者の抱える課題解決が困難」だという。高齢や低所得だけでなく、家庭不和、子どものひきこもりに直面するなど複合的な課題を抱える相談者が多い。

支援が届かなければ、より深刻化して生活保護など最後の安全網に至り、そこで初めて居住支援に取り組むことになる。早い段階で支援できれば、相談者が自立できる可能性が高い。

――改正社会福祉法が先の通常国会で成立した。

これによって、来年度から「断らない相談支援体制」の構築が各自治体で推進される。この支援体制の中に居住支援も位置付けられており、それを“入り口”として所得や家族関係、健康の問題などで、それぞれの支援機関への“つなぎ”も行われることが求められている。

今後は、そうした支援の輪を各地で広げ深めることが必要だ。

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