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【主張】コロナ禍と食品ロス フードバンク活用へ支援さらに
売れ残りや食べ残し、賞味期限が近いなどの理由で、まだ食べられるのに捨てられてしまう食品を減らすための食品ロス削減推進法。公明党の後押しで昨年5月に成立し、同年10月1日に施行された同法は、10月を「食品ロス削減月間」と定めている。これを機に、食品ロス削減に向けた取り組みを加速したい。
農林水産省が今年4月に公表した推計によると、2017年度に国内で発生した食品ロスは612万トンに上るという。国連世界食糧計画(WFP)は、途上国など82カ国の約8000万人を対象に、年間約320万トンの食料支援を実施しているというから、実にその倍の食品ロスが生じていることになる。
コロナ禍の今、懸念されるのは食品ロスの急増だ。
外出自粛や休業などの影響で、食品が提供されるはずだった多くのイベントが中止となり、飲食店の利用も激減するなどした結果、出荷先を失った食品をどうすべきかが、食品関連事業者の大きな悩みとなっている。
こうした中、需要が高まっているのが、未利用食品を福祉施設や生活困窮者などに提供する「フードバンク」だ。食品ロス削減推進法にも、フードバンクへの支援が明記されている。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、未利用食品の有効活用を促進するため、政府は、食品事業者がフードバンクに食品を寄付する際の輸配送費などの補助を実施している。これにより、実際、フードバンクへの寄付件数は増えている。
ただ、それでも、やむを得ず農作物や食品の廃棄に踏み切った農家も少なくない。フードバンクに寄付するための手続きや輸配送の準備が、通常の出荷より手間がかかり、農家の負担が大きいためだ。農家の負担軽減策を真剣に検討する必要がある。
また、全国のフードバンクを実施する団体の多くが、食品を保管する場所や冷蔵庫などの設備が十分に整っていないため、未利用食品が大量に発生するコロナ禍のような事態に対応するのが難しいという課題も浮き彫りになっている。フードバンクの基盤整備を推進する取り組みへの支援も重要である。









