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2020年9月30日

【主張】後追い自殺の防止 正しい情報と相談機関の周知を

最近、自殺と思われる原因で著名人が相次いで亡くなった。そこで懸念されるのが「後追い自殺」だ。

とりわけ多感な時期にあり、心に深刻なダメージを受けやすい子どもや若者、「死にたい」といった自殺念慮を抱えている人の命を社会全体で守らなければならない。

影響力のある人の自殺が連鎖することは古くから知られている。ゲーテの小説『若きウェルテルの悩み』が発表された当時、自殺した主人公と同じ服装と手段で自ら命を絶つ若者が相次いだという。

出版や報道などで自殺が誘発される現象は「ウェルテル効果」と呼ばれている。わが国では、1986年に自殺したアイドルを30人以上の若者が後追いして亡くなった。

今の子どもや若者は、新型コロナウイルスの感染拡大により、学校や家庭で以前のような生活を送ることができず心身が不安定になりがちだ。こうした中で「自殺報道」が相次ぐことに、強い危機感を覚えずにはいられない。

報道が自殺の引き金とならないよう世界保健機関(WHO)は「自殺報道ガイドライン」を示している。

この中で「やるべきではないこと」として「報道を過度に繰り返さない」「自殺に用いた手段について明確に表現しない」「発生した現場や場所の詳細を伝えない」といったことを挙げている。

一方、同ガイドラインで「やるべきこと」とされるのは「支援策や相談先について正しい情報を提供」「自殺と自殺対策についての正しい情報を報道する」などである。

これら「やるべきではないこと」「やるべきこと」は報道のみならず、SNS(会員制交流サイト)にも当てはまる。不注意に興味本位で発信、拡散すれば、誰かに重大な影響を与えかねない。

大切なのは、生きづらさを抱え、悩んでいる人の存在に気づき、耳を傾けることだ。必要に応じて、電話による「よりそいホットライン」やLINEの「生きづらびっと」、行政窓口などの相談先を紹介したい。

「あなたは一人じゃない」「そばにいるよ」と声を掛け、手を差し伸べる行動が、かけがえのない命を守ることにつながる。

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