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コラム「北斗七星」
最大震度7を観測した北海道胆振東部地震から2年を過ぎ、厚真、安平、むかわの3町に設置された応急仮設住宅が間もなく入居期限を迎える。役目を終えたプレハブ型住宅は撤去される一方、搬送可能な「モバイルハウス」は製造会社などに引き取られ、“次の出番”を待つことに◆最近では観光地の宿泊施設や飲食店に利用され、活躍の場を広げる移動型住宅。組み立て済みのユニットをトレーラーで運び込み、現地での設置作業はわずか。機動性の高さで災害時に限らず、普段のビジネスシーンでも注目される◆避難所運営などに詳しい日本赤十字北海道看護大学の根本昌宏教授は、“社会的備蓄”の重要性を強調。これは、「大型の設備を災害への備えのためだけに確保しておくことは難しいことから、日頃の経済活動などに役立つ形で蓄える」という考え方だ◆例えば避難所生活が長引くほど、トイレや食事提供は大きな課題となる。専用のトイレ車両や大型キッチンカーがあれば、避難者の健康維持に貢献することは間違いない。簡易な設備に比べて衛生管理が行き届きやすく、ポストコロナ時代にはメリットとなる◆道の駅や公園などで活用しながら、いざというときは被災地へ。そうした取り組みを具体的に推進し、防災・減災・復興を社会の主流にしていきたい。(武)