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【主張】国連への期待 コロナ禍克服へ国際協調さらに
あす22日から国連総会で加盟国首脳による一般討論演説が始まる。
国連創設75年の記念すべき総会は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)の中で迎えた。なんとしても国際協調によってコロナ禍を克服し、国連の新たな可能性を開かなければならない。今回の一般討論演説がその契機になることを期待したい。
国連憲章は「言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害」から将来の世代を救うことを第一の目標に掲げた。しかし、「惨害」は戦争だけではない。
パンデミックは世界経済に大打撃を与え、さらに、国連が2030年に向けて「一人も取り残さない」をスローガンにして進めている持続可能な開発目標(SDGs)の取り組みや、パリ協定の下で各国が履行を求められている気候変動への対応にも暗い影を落としている。どれも停滞すると将来の人類に「惨害」を及ぼす問題だ。
グテレス国連事務総長も危機感を強めている。3月の記者会見ではパンデミックについて「国連75年の歴史で経験したことのない地球規模の健康危機に直面している」と述べたが、先週の記者会見では「今日の世界で最大の安全保障上の脅威だ」と訴えた。
まずは、ワクチン開発とその必要量の確保が不可欠だが、一国の努力だけで達成できる課題ではなく、国際協力が大前提になる。
また、国連によると、海外渡航制限で世界の観光収入は昨年に比べ約79%減で、観光業の約1億2000万人が失職する可能性がある。さらに、マスクや防護服、人工呼吸器などの調達が滞り医療に支障を来した国も相次いだ。
こうした課題への対応には移動の制限解除や、サプライチェーン(供給網)の多元化・強靱化が不可欠である。そのためには、国際的相互依存の重要性を見据えた加盟国の判断が要請される。
しかし、現実は米国、中国、ロシアの大国間の対立や、多くの地域紛争、国際機関に対する不信感の増大など、世界は国際協調を難しくする状況に直面している。
加盟国首脳は今一度、国際協調をめざす国連の原点に立ち戻る必要がある。









