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2020年9月23日

【主張】中小企業向け融資 銀行は事業の将来性も重視して

コロナ禍収束の見通しが立たない中、必死の経営努力を続ける中小企業をしっかりと支える必要がある。

金融庁は、金融行政の重点課題に対する新たな方針を先月末に策定した。この中で注目したいのは、事業の将来性を評価する「事業性評価融資」の実施を民間金融機関にも促す姿勢を強調していることだ。

民間金融機関は、融資先の企業が所有する土地や、経営者の個人保証を担保として求めるのが一般的だ。融資先が事業の継続をできなくなった場合に、担保の売却で銀行自らの損失拡大を食い止めるためである。

しかし、担保を回収された企業は事業の再建が難しくなる。地元企業の経営破綻が地域経済に与える影響も見過ごせない。

こうした担保重視に偏った融資の弊害を克服する手だてが長年必要とされており、この点で、金融庁の方針は評価できる。

事業性評価融資の取り組みは、既に広がりつつある。

地球温暖化対策や社会貢献など持続可能性の高い事業を資金面で支え、金融機関の収益確保にもつなげる「ESG投資」はその一つの例だろう。金融機関には、事業の将来性を見極めて融資する目利き力を高める努力が一段と求められる。

また、事業性評価融資の拡大は、とりわけ地方銀行の経営基盤の強化にとっても重要ではないか。

現在、地方銀行の約7割は長引く低金利の影響で収益力が低下し、深刻な経営悪化に直面している。新たな収益源となる事業を育てる意味から、事業性評価融資に取り組む必要があろう。

金融庁は今後、金融機関が事業性評価融資を実行しやすくするための制度面の環境整備を進める方針だ。コロナ禍により多くの中小企業で経営状況が深刻化しており検討を急いでほしい。

わが国の中小企業は、全企業数の99.7%、従業員全体の約7割を占める。ポストコロナの経済再生には中小企業の力強い回復が不可欠であり、そのためには金融機関による経営支援が何よりも重要であることを重ねて強調しておきたい。

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