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2018年10月1日

【主張】無戸籍問題 抜本解決へ民法見直し不可欠

人としての尊厳に関わる重大な人権問題である。これ以上の放置は許されない。

親の事情で出生届が出されず、そのためにさまざまな不利益を余儀なくされている無戸籍者の救済に向けて、法務省が近く、有識者でつくる研究会を発足させる。

研究会は、問題の背景にある「嫡出推定」という民法の規定の見直しにも踏み込む方針だ。上川陽子法相も研究会の議論を踏まえ、法制審議会に民法改正の諮問をする姿勢を見せている。

遅きに失した感は否めないが、長くなおざりにされてきた問題が本格的な議論のテーブルに載る意義は大きい。研究会は検討を急ぎ、無戸籍問題の抜本的な解決をめざしてほしい。

民法772条に規定する嫡出推定は、家制度が色濃かった明治時代の産物で、「婚姻中に妊娠した子は夫の子」「離婚後300日以内に生まれた子は元夫の子」とみなす。

このため、例えば夫と別居中に別の男性との間に子ができた場合、出生届を出すと戸籍上は夫の子になる。しかも現行法は、こうした推定を否定する「嫡出否認」の権限を持つのは夫と元夫だけに限り、妻と子には認めていない。

となれば、母親が出生届の提出をためらうのは当然だろう。特に夫の家庭内暴力(DV)から逃れているような女性の場合は深刻だ。

結果的にその子は、住民票もパスポートも運転免許も原則取得できない「公的には存在しない者」として生きていくほかなく、進学や就職、結婚などもままならなくなる。

養育義務を負う父親を早期に確定することで子どもの利益を守れるとする明治生まれの制度が、今や仇となり、裏目ともなっている実態がここにある。民法学者らが「時代遅れのルール」と指摘し、公明党が執拗なまでに見直しを訴えてきたゆえんでもある。

事実、法務省が把握している無戸籍者715人(8月10日現在)のうち、4分の3は嫡出推定と否認の規定を恐れて出生届を出さなかったケースだ。問題の核心がこの二つのルールにあることは明白だろう。

“無戸籍ゼロ社会”へ、民法改正が不可欠なことを重ねて強調しておきたい。

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