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中学3校にフリースクール
担任と支援員を配置
愛知・岡崎市
愛知県岡崎市は今年度から、子どもの多様性に対応した「校内フリースクール」を市立中学校3校にモデル校として開設した。「既存の学校教育になじめない不登校生徒の新たな居場所」(市教育委員会)となっており、県内で初めての試み。議会でフリースクールについて質問してきた市議会公明党の畑尻宣長、野島さつき両市議と土谷直樹党副支部長(いずれも市議選予定候補)はこのほど、福岡中学校のフリースクールを訪れた。
福岡中学校のフリースクールを視察する(左から)野島、畑尻両市議、土谷党副支部長
岡崎市は、各校に不登校生徒のための「校内適応指導教室」などを開設している。モデル校では同教室に代わり、校内フリースクールを開設。モデル校での成果や課題を基に各校への拡大を検討していく。
フリースクールでは、適応指導教室にない取り組みとして、専任の担任・支援員の配置、個別支援計画の作成、タブレット端末によるライブ授業などを行っている。
支援員は、不登校生徒への対応を心得ている元教員。常駐するため、生徒の体調や心の変化に気付きやすい。担任と支援員による細やかな指導に対し「学校に通えるようになったのは先生たちのおかげです」(甲山中学校のフリースクールに通う生徒の保護者)と感謝の声が寄せられている。
個別支援計画は、生徒の目標(進学、就職など)に応じて策定。目標は、在籍する学級の担任、フリースクールの担任と個別に面談して決める。目標から逆算し、1年生の範囲から復習するなど、どう学習していくかについて計画を立てる。
タブレットでライブ授業
タブレット端末はライブ授業や学習アプリでの自習に活用されている。ライブ授業は、在籍学級の授業にオンラインで参加するもの。
生徒は登校後、一日の予定を自分で決める。ライブ授業やフリースクールでの授業を受けるほか、持ってきた教材や本、タブレット端末を活用して学ぶ。パーティションがあり、個別の空間を確保できるようになっている。
生徒「自分のペースで過ごせ安心」
福岡中学校のフリースクールには6人が通う。そのうちの1人は3年生の女子。フリースクール開設当初から通っている。「ここは自分のペースで過ごすことができるので安心。今は保育士になるためにピアノの練習と受験勉強に頑張っている」と前を向く。ライブ授業について「教室の雰囲気が分かり、行事などで教室に通えるようになった」と喜んでいた。
畑尻市議は2015年6月定例会で、不登校の児童・生徒一人一人に合わせた、きめ細かな対応を要望。村越恵子市議(当時)も16年3月定例会で、フリースクールについて質問していた。