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新幹線 バリアフリー拡充
車いすスペース増設
東海道は1編成6席 ネットで購入可能に
国交省、整備基準改正へ
新幹線のバリアフリー化が一段と進む。国土交通省の検討会は8月28日、新幹線車内の車いすスペースについて、現在の1編成1~2席から3~6席に増やす方針を決めた。インターネットによる利用予約・購入手続きも可能になる。国交省は今秋にもバリアフリー整備に関する基準を改正する。JR各社は改正される基準に沿って新車両の設計を進めるとともに、既存の車両に関しても改正後の基準に適合するよう改修する努力義務が課される。
車いす用スペースの実証実験を視察する赤羽国交相(正面右から2人目)=8月3日 都内
新たな整備基準では、座席数に応じて車いすスペースを設定。1編成当たりの座席数が▽1000席を超える場合は総席数の0.5%以上▽500~1000席では5席以上▽500席未満は4席以上のスペースの確保を義務付ける。これにより、車いす利用者が優先的に使える「多目的室」のほかに、東海道新幹線で6席分、北海道や東北新幹線は4席分の車いすスペースがそれぞれ設けられる。
具体的な要件として、2人以上の窓側席や車内販売のワゴンの通行に支障のない通路幅の確保、介助者らが利用できる座席なども設けるようにした。
また、車いすスペースについて、インターネットで利用予約から購入までを完結する利便性の高いシステムの導入なども方針に明記された。
赤羽一嘉国交相(公明党)は昨年12月、新幹線のバリアフリー化を進めるため、JR各社や障がい者団体を交えた検討会を設置。公明党は今年1月、バリアフリー施策の充実に向け、障がい者団体と意見交換を行った。8月には赤羽国交相と岡本三成党国交部会長(衆院議員)は障がい者団体と共に新幹線の車いすスペース実証実験を行うなど、車いすの利用者からバリアフリーの課題について意見を聞き、議論を進めてきた。検討会の席上、赤羽国交相は「真の共生社会実現に向け、バリアフリー施策を加速させていきたい」と述べた。
当事者目線の対応に感謝
DPI日本会議 佐藤聡 事務局長
国交省による新幹線の車いすスペース増設決定について、障がい者団体のDPI日本会議の佐藤聡事務局長がコメントを寄せた。
今回の取りまとめは、真の共生社会実現への道しるべとなる素晴らしい内容です。
今までは、車いすに乗ったままでは通路にはみ出してしまい、車内販売のワゴンなどが通るたびにデッキに出なければなりませんでした。こうした中、公明党は障がい者団体の要望を丁寧に聞き、議論をリードしてくれました。
また、赤羽一嘉国交相、岡本三成党国交部会長、党バリアフリー施策推進プロジェクトチーム座長の山本博司参院議員をはじめ、公明議員の皆さんは、新幹線の車いすスペース実証実験に参加するなど、当事者の目線で対応してくれました。こうした取り組みが今回の取りまとめにつながったと思います。心から感謝しています。