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2020年9月7日

【主張】ネット中傷 人権保護へ司法救済の強化を

「弁護士費用だけで100万円かかる場合もあるのに、勝訴しても損害賠償額は30万~60万円程度。しかも裁判に何年もかかる」――ネット上で匿名の発信者から名誉やプライバシーなど人権を侵害された被害者の救済に関わる弁護士の声だ。これでは裁判をする意思がそがれる。

総務省は1日、「インターネット上の誹謗中傷への対応に関する政策パッケージ」を公表し、その中で「新たな裁判手続きの創設」の検討を掲げた。11月を目途に最終取りまとめをする方針である。

人権保護の「最後のとりで」は裁判所だ。匿名の発信を含む「表現の自由」「通信の秘密」を守りながら、同時に、被害者の人権を保護する新たな手続きの構築が必要だ。時間と費用がかかるという理由で、被害者を「泣き寝入り」させてはならない。

ネット中傷に関する裁判は、まず、匿名の発信者を特定することから始まる。

被害者はコンテンツプロバイダー(SNSの事業者など)に対して発信者のIPアドレスを、次に、アクセスプロバイダー(インターネット接続事業者)に対して発信者の氏名・住所を開示させる必要がある。この2段階の手続きに半年から1年、その後、本来の目的である損害賠償請求訴訟の提起に移る。

そこで、総務省は「新たな裁判手続き」の一例として、裁判所が被害者からの申し立てによって発信者情報の開示の適否を判断・決定できる仕組みを挙げた。裁判所は開示妥当と判断したらプロバイダーに命じて発信者の氏名・住所を開示させる。

これは、原告(被害者)と被告(プロバイダー)が争う訴訟ではなく、裁判所が主体的に決定する非訟という特別な手続きであり、簡易迅速な処理が期待できる。

公明党は6月にまとめたネット中傷対策に関する提言で、「柔軟な解決を図ることのできる非訟手続き」の検討を求めた。さらに、低い損害賠償額についても問題を提起、さらに、弁護士費用のうち調査費用を発信者に負担させるアイデアも示した。

現実社会で違法な行為はネット上でも違法だ。ネット中傷の被害者にも使いやすい司法救済をめざしてほしい。

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