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2020年9月5日

ネット上の中傷対策進む

発信者特定へ省令改正 
電話番号を開示対象に追加

インターネット上での誹謗中傷や人権侵害の書き込み被害の防止に向けて政府は8月31日、悪質な投稿者の電話番号を開示できるようにし、今月1日には事業者の自主的な取り組みなどを盛り込んだ総合対策を公表した。公明党の取り組みとともに、官民連携で対策強化を進める政府の動きを追った。

高止まりする相談件数

インターネット上の誹謗中傷の相談に対応する「違法・有害情報センター」には、昨年度5198件の相談が寄せられた。2010年度の受付開始時に比べ件数は約4倍に増え、15年度から高止まり傾向を示す。法務省の「インターネット上の人権侵害情報に関する人権侵犯事件」も、昨年は1985件を数え、統計開始以来2番目の多さだった。内容を見ると、プライバシー侵害が最も多い。

こうした被害を未然に防ぎ、被害者救済の実効性をより高める取り組みの一つが、悪質な匿名投稿者を特定する「プロバイダ責任制限法」の強化だ。

パッケージのポイント

総務省は8月31日、同法に基づく発信者開示情報に電話番号を追加するよう省令を改正。1日、同省が公表した総合対策の「政策パッケージ」にはこれに加え、事業者の自主的取り組みや啓発活動の推進、相談体制の拡充を盛り込んだ。さらに、被害者の迅速な救済に向け、新たな裁判手続きの創設や、通信記録である「ログイン時情報」の開示も検討対象に加えた。

従来、投稿者に関する情報開示請求は、氏名や住所、電子メールアドレスなどに限定され、電話番号は含まれていなかった。SNS(会員制交流サイト)では氏名などを登録していないケースもあり、投稿者の特定には2度の裁判が必要など時間や手間がかかった。電話番号であればSNS事業者などが保有している場合があり、弁護士会などを通じて電話事業者へ迅速に発信者情報を照会できる。

SNSなどの運営会社でつくるソーシャルメディア利用環境整備機構専務理事でLINE株式会社執行役員の江口清貴氏は、電話番号の開示について、「誹謗中傷に対して一定の抑止効果が期待できる。被害者の反撃手段を強化することにもなる」と評価。こうした見直しをさらに進めるよう求めている。

一方、被害者側代理人を務めてきた清水陽平弁護士は、情報開示に加え、「被害を抑えるためには、事業者の自主的取り組みが欠かせない」と強調。事業者による、悪質投稿の適切な削除やアカウント停止が被害を減らすポイントと話す。

さらに、江口専務理事は、「情報モラルやICTリテラシー(情報を読み解く力)を向上させる啓発が大事」と力説する。SNSで中傷されていた女子プロレスラーの木村花さんが5月に亡くなった問題の背景として、「ネット上の批判を目にした人が、自分も(中傷の投稿が)許されるという心理状態になったことが大きい」と分析。情報モラルを高めることの重要性を訴えている。

公明提言、全面的に反映

インターネット上の誹謗中傷対策の強化に向けて公明党は、5月に発足させたプロジェクトチーム(PT、座長=国重徹衆院議員)で、関係者と精力的に意見交換し検討を重ねてきた。

6月には、PTがまとめた提言を高市早苗総務相、森雅子法相にそれぞれ提出。公明党などの主張を受け、総務省は、発信者開示情報に電話番号を追加。公表された総合対策の「政策パッケージ」にはPTの提言が全面的に反映された。

正当な表現、保護し被害者の人権守る

党インターネット上の誹謗中傷・人権侵害等の対策検討プロジェクトチーム(PT)・国重徹座長(衆院議員)

PTでは、匿名表現であっても正当な表現は守りながら、個人の人格権などをいかに守り、被害の救済を図るかという観点で、制度全体を見直すための協議を進めてきた。

会議では、関係団体や有識者らとも議論。悪質な投稿について、削除などが適切かつ迅速に行われるよう、事業者の自主的な取り組みの向上と法制化を検討してきた。被害者救済の実効性を高めるため、発信者情報の開示対象に電話番号などを追加するほか、発信者を特定する裁判手続きの簡素化・迅速化も訴えている。

啓発活動の重要性や相談窓口の拡充も提言に加えた。今後も、人権侵害につながる投稿は許さず、被害者の迅速な権利回復に向けて党を挙げて取り組んでいく。

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