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和んだ顔 見るとうれしい
重度身体障がい者向けの訪問入浴を週2回に
費用補助、家族から喜びの声
大阪・熊取町
拓久さん(手前)と訪問入浴サービスの充実を喜び合う(右から)惠子さん、成寿さんと渡辺町議
大阪府熊取町は7月から、重度身体障がい者向けの訪問入浴サービスの費用補助を原則週1回から最大週2回に拡充し、利用者から喜ばれている。
対象は、自宅での入浴が難しい身体障害者手帳1級または2級所持者。負担額は利用費用(1回当たり上限1万2500円)の1割で、町民税非課税世帯は無料となっている。
回数増のきっかけをつくったのは町内在住の松本成寿さん、惠子さん夫妻だ。今から5年前、2人兄弟の次男である当時中学生だった拓久さん(20)が、地元の祭りに自転車で向かう途中、車にはねられる事故に遭い、頭を強打。医師からは、脳を損傷し意識障害を負う「遷延性意識障害」との診断を受け、自力で動けない寝たきりの状態となった。
拓久さんは、交通事故による重度後遺障害者に対して専門的な医療を提供する療護施設などで治療を受けた後、今年1月から自宅に戻り、訪問入浴サービスを利用している。
松本さん夫妻から「清潔さを維持するためにも入浴回数を増やしてほしい」と相談を受けた公明党の渡辺豊子町議は今年6月の定例会で、「重度の身体障がいのある方への入浴機会の確保や家族への生活サポートとして最低週2回の入浴に拡充すべき」と訴えていた。
松本さん夫妻は補助事業の拡充を喜び、「入浴時の息子の和んだ顔を見るとうれしい。助かりました」と笑顔で語っていた。