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2018年9月28日

コラム「北斗七星」

「一人の才能が土を割って芽を出し、世に出てゆくには、多数の蔭の後援者が要るものなのだ」。司馬遼太郎の『人間というもの』(PHP文庫)に収められた一文である◆才能は「ぼっと光っている」ので、目利きの人でないと見えない。ところが見つかると、「ある者は手を貸し、金のある者は金を出して、その才能を世の中へ押し出してゆく」と。司馬は一人一人の才能が花開く社会を思い描いていたのだろう◆賞を取ることは才能が世に押し出された一つの帰結だ。ノーベル賞受賞者の発表が間近に迫っている。10月1日の生理学・医学賞を皮切りに、物理学賞、化学賞と続く。これら自然科学3賞を受けた日本人は22人。うち17人が2000年以降だ◆今回は、10人を超える日本人が有力視されていると聞くが、一方で行く末を暗示するデータも。科学技術・学術政策研究所によれば、注目度の高い論文数で日本は04~06年、米英独に続く世界4位だったが、14~16年に9位へと後退。修士、博士号の取得者数も、主要国の中で日本だけが減っているのだ◆ちなみに16年、日本の公的機関、企業、大学の研究開発費総額は対前年比マイナス2.7%だった。「日本の科学研究が失速し、このままではエリートの座を追われかねない」(『ネイチャー』)。司馬が言う、後援者が求められている。(田)

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