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2020年8月28日

ロボットが見守り支援

独居高齢者宅へ無償貸与 
訪問活動の代行役に

高齢者の見守りや介護の現場で、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぎつつ、現場の人手不足も補う試みとしてロボットの活用が進みつつある。ロボットが代行する高齢者サービスの取り組みを紹介する。

見守りロボットとやり取りする高齢者=25日 福井・坂井市

独居高齢者を孤立させない環境づくりへ、福井県坂井市では見守りロボットの実証実験が実施されている。

同市は7月末、市内在住の60~90代の独居高齢者10人に高さ30センチほどの人型ロボット「PaPeRo i(パペロ アイ)」を無償で貸与した。コロナ禍で訪問活動が難しい民生委員らの代行役となるものだ。

このロボットは、1日3回、設定された時刻に利用者の顔写真を撮り、家族に送信。長時間撮影されなかったり、利用者が緊急通報ボタンを押すと、家族と警備会社に緊急メールが届く。家族はスマートフォンで室内の状況確認もできる。

会話の相手役としてもロボットは一役買っている。「かわいいね」と利用者が話し掛けると、「どう致しまして」と愛嬌たっぷりに反応する。利用者は「今では、孫のような存在」と、癒やしの効果を語る。災害時には、自治体が出す防災メールを受信し読み上げ、ロボットのそばに設置されたディスプレーに文字情報も表示する。

実証実験は9月末まで行う予定だ。同市高齢福祉課は、「家族が安心する見守りや利用者の孤独感解消に役立っている。検証を踏まえ、本格導入を検討していきたい」と語る。

面会制限中も触れ合いで活用

さいたま市の複合型介護施設「浦和ケアセンターそよ風」は、高齢者施設のレクリエーションでロボットを活用している。

日中の体操時間、施設のホールに集まった利用者たちの間で、人型ロボット「Pepper(ペッパー)」は人気者になっている。高さ1.2メートルの体で身振り手振り、愛らしい声でラジオ体操を楽しくリードする。

「導入前は、なじんでもらえるか心配だった」という運営会社の担当者の懸念は杞憂だった。ペッパー導入の初日、利用者は興味津々で話し掛け、「すぐに受け入れられている様子だった」。

ペッパーは一緒に歌やクイズなども行う。移動も可能なので、夜間巡回やトイレ案内での活用も試みている。

同施設は、コロナ禍で家族の面会を制限している分、ロボットとの触れ合いを重視し、他の施設でも配備を広げたい考えだ。

公明、デジタル社会を推進

政府は、介護現場へのロボット導入を後押しする。厚生労働省は3日、ロボットの活用を希望する福祉施設などからの相談受け付け窓口を全国11カ所に設置。

業務改善の好事例や補助金の情報を高齢者施設などに提供するほか、介護ロボットの無料貸し出しも行う。

7月に閣議決定した規制改革実施計画でも、介護サービス提供者に支払われる介護報酬について、ロボット使用の報酬額を増やすよう求めている。

公明党は、コロナ禍の介護サービス支援に向け、ロボットや人工知能(AI)など先進技術の導入を進めるデジタル社会の構築を訴えている。6月には、石田祝稔政務調査会長らが安倍晋三首相に提出した経済財政運営の基本方針「骨太の方針」に関する提言で、医療や介護分野などのデジタル化推進を主張、7月に閣議決定した同方針にはこれらが随所に反映された。

安全性担保し活用拡大を

鳥取大学工学部 竹森史暁 准教授

医療や介護、障がい者福祉の分野でロボットを普及させるためには、高齢者や障がいのある人に寄り添い、どれだけニーズを的確にくみ取って反映していけるかがポイントになる。

例えば、コロナ禍でも独居高齢者宅に見守りロボットがあれば、家族も無事が確認でき安心だ。こうした身近な問題を解決する手段として、ロボットは有効なツールとなる。

介護される側は、人を呼んで支援を依頼することに気兼ねしがちだ。ロボットの方が気軽に支援を受けやすい面もある。

ただ、全てをコンピューター任せにすることは、誤動作など万一の危険が伴うことから、安全性を担保して進めることが大切だ。

公明党は、医療や介護、障がい者福祉の分野でロボットや情報通信技術(ICT)、AIを普及させることに熱心に取り組んでおり、評価している。人とロボットが協調し、高齢者や障がい者が必要な時に必要な支援を受けられる社会の構築に向け、さらに施策が拡充されることを願っている。

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