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2020年8月25日

【主張】戦没者遺骨収集 取り違えは二度と許されぬ

戦後75年の今夏に始まった取り組みを注視したい。

厚生労働省は戦没者遺骨収集事業の体制強化に向け、遺骨の科学的鑑定を行う「戦没者遺骨鑑定センター」を省内に立ち上げ、先月から業務を開始した。科学的鑑定を一層重視するよう公明党が強く訴え、実現を後押ししたものである。

同センターの業務は、遺骨の科学的鑑定や最新技術の研究、外国の鑑定機関との共同鑑定などに加え、遺骨が日本人のものかどうかを専門家が判定する取り組みも行う。

厚労省によると、海外や沖縄、東京・硫黄島での戦没者約240万人のうち、約112万柱は今も現地に眠る。

国は2016年成立の戦没者遺骨収集推進法に基づき、16年度から24年度までを収集の集中実施期間としている。高齢化する遺族の思いを受け止め事業を進めてほしい。

忘れてならないのは、同センター設立の背景に遺骨の取り違え問題があったことだ。

昨年、ロシアやフィリピンで日本人以外の遺骨も収集された可能性があると専門家に指摘されながら、厚労省が具体的な対応を取ってこなかった実態が判明した。同省が再調査した結果、460人分の遺骨が外国人のものだった。

遺骨取り違えという不祥事を受けて設置された有識者チームの報告書では、例えばロシアでの遺骨収集について、日本側に資料が乏しく調査や収集をロシア側に頼っていた事実が明らかになっている。

しかし、遺骨収集事業は国の責務である。厚労省は、今回のセンター設立を契機に、取り違えは二度と許されないとの覚悟で事業に取り組まねばならない。

また遺骨収集の際、目視でアジア系と判定された遺骨が日本人のものとして扱われ、DNA鑑定用の検体を採取した後は、日本の慣習に基づく焼骨が現地で行われてきた。

だが戦場の旧日本軍には朝鮮半島・台湾出身者らも多かった。この点について厚労省は、公明党の要請も踏まえ、鑑定終了まで焼骨しない方針を5月に発表している。

外国人のものと分かった遺骨は、それぞれの祖国に返すことが日本の道義的責務であり平和貢献につながることは言うまでもない。

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