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【主張】コロナワクチン 調達手段増やし確保に万全期せ
コロナ禍の収束にはワクチンが不可欠であり、その確保に万全を期す必要がある。
公明党の新型コロナウイルス感染症対策本部は18日、政府に対してワクチン確保に関する提言を行った。
柱の一つは、既に交渉が進んでいる調達先についての要望だ。
政府は、英製薬大手アストラゼネカ社から1億2000万回分、米製薬大手ファイザー社から2回接種で6000万人分のワクチンを、開発が成功した場合に供給を受けることで基本合意している。
これは、公明党が国会質問や申し入れの場で、供給にかかる費用について補正予算の予備費を積極的に活用するよう訴えてきたことが後押しとなったものだ。
ただ、両社のワクチンの安全性や有効性は、まだ確立されていない。このため提言では、両社に必要かつ十分な情報を開示させる必要性を訴えた。政府はしっかりと取り組んでほしい。
もう一つの柱は、調達手段を増やすことだ。両社のワクチンに効果が見られなかったり、重い副反応が出る可能性も考慮すれば、当然の備えと言えよう。
この点について提言では、国際枠組み「COVAXファシリティー」への参加を求めている。
同枠組みは、途上国へのワクチン普及を支援する国際組織「Gaviワクチンアライアンス」や世界保健機関(WHO)などが主導し、ワクチンを複数国で共同購入するもの。参加する高・中所得国は研究開発などの資金を前払いし、開発が成功すれば人口の20%相当分のワクチンを確保できる。
現在、同枠組みは、世界で100を超えるワクチン開発の中から臨床試験に入った20以上のワクチン確保をめざしており、選択肢が限られている日本にとって有用であることは明らかだ。
また、同枠組みでは低所得国にGaviを通じてワクチンが配分される。資金力に乏しい途上国のコロナ禍収束を後押しすることは、公明党が推進してきた「人間の安全保障」や国連の持続可能な開発目標(SDGs)につながる点も強調しておきたい。政府は参加検討を急ぐべきである。