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コラム「北斗七星」
自治会の防災訓練終了後の会話。「家で水とか食料とかの備蓄は?」「分かっちゃいるけど、なかなかねえ」。災害用の備蓄は、家族数×3日分が最低限。1日1人あたり水3リットルと3食。しかし、日本気象協会が20代から40代の女性に聞いたところ、備蓄3日分が必要だとは約半数が知っているものの、8割は実践できていない◆備蓄できていないもので気になるのは、寝袋や携帯電話の予備バッテリー。そして、不足しがちなビタミン・ミネラル・食物繊維を補う野菜ジュースなど。高齢者がいる場合は、水を必要としないうがい薬やマウスウォッシュが欠かせないという◆乳児をもつ人では、おしりふきや紙おむつは大半が準備しているのに、粉ミルクを用意している人は3割に過ぎない(「トクする!防災」プロジェクト調べ)。母乳で育てている人も、災害時はストレスなどで母乳が出なくなることもあるという。備蓄しやすい液体ミルクの普及も急がれる◆「そんなに!?」となりそうだが、備蓄を日常に溶け込ませるローリングストックというやり方がある。食べ物・飲み物など備蓄品を少しずつ使い、使った分だけ補充していく。ずいぶんと気持ちが楽になるという◆十分な支援の手が届くまでの間、自分と家族の命を守るための備えだ。お互い心したい。(繁)