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【主張】結核 高齢者ほど十分な警戒が必要だ
結核を発症する高齢者が増えている。24日から「結核予防週間」が始まっており、感染防止に努める契機としたい。
厚生労働省によると、国内の結核患者数は減少傾向にあるが、今でも年間約1万7000人が発症し、約2000人が亡くなっている。
とりわけ、新たに登録された患者の約7割を60歳以上が占めているように高齢者の罹患率が高く、80歳以上の罹患率は実に全年齢層平均の約5倍に及ぶ。高齢者は十分な警戒が必要である。
結核菌は、せきやくしゃみなどで空気感染し、主に肺の内部で増殖する。必ずしもすぐに発症するわけでなく、体内で長期間とどまった後に発症するケースも少なくない。
最近、高齢者の罹患率が高まっているのは、結核が国民病だった1950~60年代に感染して発症しなかった人が、加齢で免疫力が低下して発症したり、他人ごとと思って検診を受けないことが主な要因として挙げられる。
発症後早期であれば結核は人への感染はまれだが、気がつかないうちに進行してしまった場合、家族など周囲の人にも感染する恐れがあることを忘れてはならない。今月20日に川崎市内の民間病院で集団感染が発生したことは記憶に新しい。
幸いなことに、結核は抗菌薬の服用などで治療できるため、早期発見ができれば有効な手が打てる。
ただ、結核の症状はあいまいで風邪とも似ているため、注意が必要だ。痰のからむせきや微熱、体のだるさが2週間以上続いた場合は、結核の可能性がある。また、海外旅行で何度も蚊に刺されたり、耳の後ろのリンパ腺が腫れている感じがする場合も要注意である。心当たりがあれば、医師の診察を受けてもらいたい。
感染拡大の防止に向け、厚労省は、通所介護施設などの高齢者施設に対し、結核の検査を利用者に呼び掛けるよう通知を出した。各自治体でも早期発見へ取り組みを進めてほしい。
国連も結核撲滅に向けた動きを本格化させる。26日には、各国首脳が国連本部に集まり、対策強化に向けた宣言を採択する予定だ。共同議長を務める日本は、リーダーシップを発揮すべきである。









