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2020年8月12日

生活困窮者自立支援「伊丹モデル」普及を

相談翌日から就労開始 
食料提供 家賃滞納への対応、健診も 
山本(香)氏ら現場を視察 
兵庫・宝塚市

国勢調査の封入作業を視察する山本(香)氏(右から3人目)ら

生活困窮者自立支援の先進モデル普及を――。公明党の山本香苗参院議員はこのほど、党東兵庫総支部(総支部長=坪井謙治県議)の議員と共に、兵庫県宝塚市内にある企業組合「宝塚高齢者雇用福祉事業団」(仲守代表理事)を訪れ、7月からスタートした生活困窮者の自立支援事業の現場を視察した。同事業団の活動は、隣接する同県伊丹市で2015年から展開されている困窮者自立支援の模範的な取り組み「伊丹モデル」と連携したもの。

宝塚高齢者雇用福祉事業団は、高齢者や障がい者の雇用支援には長年取り組んできたが、生活困窮者への就労支援は今回が初めての試み。そこで、「伊丹モデル」として困窮者自立支援で実績を上げている企業組合「伊丹市雇用福祉事業団」の高木哲次代表理事を顧問に迎え、アドバイスを受けてきたという。

山本氏らは、国勢調査の封入作業をしていた近隣住民と就労支援対象者の様子を視察。その後、高木氏らと懇談した。

懇談で高木氏は「ひきこもりだけでなく、コロナの影響で失職した人の相談が増え続けている」と指摘。伊丹市在住で失業中の50代男性が伊丹の事業団に相談に来て、翌日から宝塚事業団での国勢調査の封入作業に毎日参加し、「収入がゼロだったが、日払いで頂けて本当にありがたい」と喜びの声を寄せているエピソードを紹介した。

その上で高木氏は、伊丹モデルの特長として、県認定の就労訓練事業所に対する伊丹市の優先発注制度(随意契約)を通じて、公園の清掃や建物管理、害獣駆除などの業務を安定的に受託できていることに言及。加えて民間事業所から人手不足で手が回らない仕事を受託するなど、「事業団で常にある程度の仕事を抱えているからこそ、相談翌日から日払い仕事で就労訓練が可能となっている」と語った。

伊丹モデルは、厚生労働省の生活困窮者就労準備支援補助金を使って一般社団法人が作成した冊子『地域共生社会実現のための中間的就労のすすめ』で、全国模範の参考事例として紹介されている。就労支援とともに、フードドライブと連携し、相談に来た困窮者に、その場で1週間~1カ月分の食料を提供する。

また、困窮者のライフライン(電気・水道・ガス)の維持・復旧、家賃滞納への対応、健康診断などの生活支援も迅速に実施。無業、失業の期間が長い困窮者が仕事を得て納税者となり、社会保険に加入するような自立に至るケースを相次いで生み出しており、今回の宝塚をはじめ、東兵庫の他の自治体、千葉県市川市などでも伊丹方式の業務受託の試験的導入が始まっている。

坪井県議は伊丹モデルの普及促進に意欲を示し、山本氏は「事業団の具体的な成果をもとに、国会や各地方議会で取り上げ、全国的な取り組みへと後押ししたい」と応じた。

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