ニュース
免許用写真 個室状態で撮影
がん患者らに配慮
愛知県
運転免許試験場の撮影場所を視察する犬飼県議(右)と沢田市議(中)
運転免許証の写真について、抗がん剤で脱毛した人には医療用のウィッグ(かつら)や帽子の着用が認められている。ただ運転免許更新施設で撮影してもらう場合、帽子などを着けている理由を話すことになり、周りの人にも聞かれてしまうことが問題だ。
この課題への対処として愛知県は5月から、運転免許試験場(名古屋市)での顔写真撮影が個室に近い状態で、できるようにしている。該当者には「更新相談室」で話を聴いた後、来場者の目に触れない通路から撮影場所に案内。撮影場所は、ロールカーテンで個室のようにする。
こうした中、東三河運転免許センター(豊川市)でも先月から、個室から撮影場所へ案内し、撮影時についたてなどを立てて、他の人から見られないようにした。
一連の対応のきっかけとなったのは、公明党の沢田晃一・名古屋市議が受けた市民相談。市内在住の女性からの相談で「がん患者である友人の女性が『運転免許の写真撮影の時に医療用帽子を着けていることを他の人に知られたくない』と言っている」との内容だった。
沢田市議からこの話を聞いた犬飼明佳県議は昨年11月の一般会計・特別会計決算特別委員会で患者の声を代弁。当事者にとって切実な問題であることを強調し「写真撮影時の配慮とともに、案内方法など丁寧な対応をしていく必要がある」と主張していた。
相談した女性は「小さな声を聴いて、素早く実現できる公明党に感謝します」と喜んでいた。