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2018年9月25日

酪農のまち 停電にうめく

北海道地震、被災地を追う 
搾乳できず乳房炎に 
「死亡牛を見て、廃業よぎった」

多くの乳牛が乳房炎にかかった大山牧場で、乳牛を優しくなでる大山さん=22日 北海道釧路管内

6日未明発生した北海道胆振東部地震。地震後、道全域が長時間にわたり停電したことで、搾乳が滞った乳牛が乳房炎にかかり、死亡するなど、道内の主要産業である酪農もダメージを受けた。乳房炎の被害が過半を占めた釧路・根室管内の酪農家を訪れ、被災地の現状を追った。

北海道釧路管内の牛舎では、乳牛の低いうなり声が響いていた。大山聡さん(36)は「停電で搾乳できず、80~90頭が乳房炎になった。死亡したり、食用にした牛は17頭にもなる」と、ぐっと唇をかみ締めた。

地震による2日間の長時間停電が大山牧場を襲った。規模が大きい牧場では、電気を使う搾乳の機械が欠かせない。デリケートな乳牛は搾乳ができないと乳房炎を起こしてしまう。大山牧場では8時間おきに搾乳していた。それができない“打撃”は大きかった。

「心配で、何度も牛舎に足を運んだ。その度に牛が搾乳してもらえると思って鳴くのがつらかった。バタバタと死んでいく牛を見て、廃業が頭をよぎった」と大山さん。停電の影響で管理不可能になるなど生乳の廃棄は、計38トンで400万円相当に及んだ。生き延びた乳牛もストレスがたまり、乳量の回復には長期間を要する。被害額は計3、4000万円に至るという。

一方、停電の間、自家発電装置を借りることができた酪農家は乳房炎の被害が少なかった。主に厚岸町をエリアとする釧路太田農業協同組合(河村信幸代表理事組合長)は、自家発電装置の貸し出しを積極的に行い、エリア内の酪農家は辛うじて一日1回の搾乳を死守。牧場主の木原晃さん(60)は「乳房炎で4頭がダメになったが、自家発電を借りたおかげで最悪の事態を免れた」と胸をなで下ろした。

北海道農業共済組合連合会によると、地震発生後の9月6~12日に乳房炎と診断された乳牛は、組合が把握しているだけで1万143頭(速報値)に上る。乳房炎は、通常時でも発生しているが、今回は通常の2倍に及び、根室・釧路管内が半分以上を占める。

北海道庁は生乳約2万トンを廃棄し、被害額は21億円と発表。乳房炎による死亡など家畜の被害額については調査中だ。酪農は北海道の農業産出額の約4割を占め、「地域の雇用や経済を支える基幹産業」(北海道庁畜産振興課)であるだけに復旧支援が急がれる。

酪農家から被災状況を聞く佐藤氏(中)ら=23日 北海道厚岸町

公明、被災状況を調査

酪農被害を調査するため、公明党の佐藤英道農林水産部会長(衆院議員)と田中英樹道議、地元議員は22、23日、釧路・根室管内の酪農家を訪問。生乳廃棄や死亡乳牛など損失への補償支援、自家発電装置設置の補助拡充など切実な要望が相次いだ。佐藤氏は「大きな被害を受けている酪農の継続へ支援が必要だ。復旧・復興へ全力を挙げる」と力を込めた。

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