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コラム「北斗七星」
独特の文様が織り込まれた衣装を身にまとい、若者たちが大地を踏み鳴らし勇壮に舞う。ユネスコ無形文化遺産にも登録された古式舞踊の迫力と一体感が心を揺さぶる。「国立アイヌ民族博物館」などを擁する「ウポポイ(民族共生象徴空間)」が先月、北海道白老町にオープンした◆長く道内に住むわが身を振り返っても、アイヌが大切に守ってきた伝統文化に触れる機会は、ほとんどなかったと言っていい。小学校から大学に至るまで、教育現場でも“過去の歴史”として扱われた印象も強い◆アイヌが、アイヌ語などの独自文化を否定され、いわゆる「同化」を強いられる元となった「北海道旧土人保護法」が廃止されたのは1997年。「先住民族」と初めて明記された新法が成立したのは、つい昨年のことだ◆2017年の道の調べでは、アイヌの人たちは道内に約1万3000人。それまでの10年余りで4割を超す減少を示す数字だった。個人情報保護への意識の高まりから、調査に協力する人が減ったことが主な要因とされるが、貴重な文化の継承は危機的状況にあるといえる◆先住民族の苦難の歴史は、世界的にも枚挙にいとまがない。あらゆる人たちが、互いに尊重し合って今を生き、共に生きる。そうした普遍的な価値観を発信する施設となることを強く願う。(武)









