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2020年8月1日

コラム「北斗七星」

甲子園球場が完成して、きょうで96年。今年は春のセンバツも夏の大会も中止になったが、関係者の尽力で、センバツに選出された32校の「甲子園交流試合」が10日から始まる◆昭和を代表する作詞家の阿久悠さんは、高校野球を愛した。夏の甲子園の試合を毎日観戦し、その日、最も心に残った試合を詩に書くというスポーツ紙の連載を、亡くなる前年まで28年も続けた◆阿久さんの小説に『ガラスの小びん』がある(『光村ライブラリー第15巻』所収)。少年の父は甲子園の出場経験を誇りにし、持ち帰った土をガラスの小びんに入れ、「甲子園の土」というラベルを貼って大切にしていた。父の“土の話”を快く思っていなかった少年は、父に叱られて、その土を捨ててしまう。そして、父の誇りや思い出まで捨ててしまったと後悔する◆ところが、父は怒らなかった。「甲子園の土」というラベルをはがし、小びんを少年に渡す。「おまえがこれに何かをつめるんだ。お父さんの甲子園の土に代わるものをつめてみせてくれ」と◆阿久さんはプロ野球選手の中で大成した人の多くが「甲子園の土」を気にかけていないことを知って、書いたという。過去の自分を越え、自身が誇れる日々へと挑戦し続ける中に“本当の宝”があるということか。きょうは、生涯闘い続けた阿久さんの命日でもある。(光)

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