公明党トップ / ニュース / p114451

ニュース

2020年7月30日

コラム「北斗七星」

近未来の恐怖社会を描いた小説『一九八四年』で知られる英作家ジョージ・オーウェルは、広島、長崎への原爆投下の2カ月後、『あなたと原爆』(光文社古典新訳文庫所収)と題する評論を発表した◆核兵器を保有する超大国が睨み合う世界を予見し、その対立を初めて「冷戦」と名付けた文献として有名。その後の核時代を「いつまでも延長されていく『平和なき平和』の状態」と喝破した慧眼には驚く◆オーウェルの指摘から75年。世界は核軍拡競争の再燃に直面している。米ロ両国の核軍備管理・軍縮体制が揺らぐ中で、核搭載可能な極超音速巡航ミサイルや爆発力を抑えた低出力核弾頭など新兵器の開発・配備が進む。また、ロシアが核の先制使用を限定的に容認するなど、核使用のハードルはどんどん下がっている◆トランプ米大統領は、最近発表した声明で、1945年7月に実施された史上初の核実験を「素晴らしい偉業だ」と表現し、「第2次大戦の終結を促し、世界の安定、科学の革新、経済的繁栄の時代を切り開いた」と称賛した◆到底受け入れがたい思想だ。その代償として人類が手に入れたものは非人道的な兵器で威嚇し合う「平和なき平和」である。核兵器のない世界を未来世代に渡していくこと。それこそが“素晴らしい偉業”なのではないか。(中)

公明新聞のお申し込み

公明新聞は、激しく移り変わる社会・政治の動きを的確にとらえ、読者の目線でわかりやすく伝えてまいります。

定期購読はこちらから

ソーシャルメディア