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重症化の兆候つかむ
パルスオキシメーターの配備
青年医師の声から、ホテル療養で活用
国・地方の連携でスピード実現
軽症であっても、突然、急速に悪化する新型コロナウイルス感染症。いかに早く重症化の兆候をつかみ、適切に処置できるかが生死を分けるとされる。“命の危機”を回避するため、公明党の提案で軽症・無症状者が療養するホテルなどに配備されているのが、指先に挟む小さなクリップ状の装置・パルスオキシメーター(メモ)だ。24日付読売新聞では、宿泊施設や自宅で療養する軽症者に「装着させる自治体が増えている」と報じられた。
公明党が配備を訴えたきっかけは、東京都内の感染症指定医療機関で奮闘する一人の青年医師の声。寄せられたのは、感染者の急増で病床確保が喫緊の課題となり、軽症者らのホテル療養へ検討や準備が進められていた4月3日のことだった。
「症状悪化時には酸素飽和度の低下が見られる。パルスオキシメーターで連続的に計測すれば容易に把握できる。ぜひホテルに配備すべきだ」
治療の最前線からの訴えを、党青年局長の三浦信祐(参院議員)は重く受け止めた。すぐに医師で党医療制度委員長の秋野公造(同)と、公明党の衆院議員で厚生労働副大臣の稲津久と連絡を取る。
秋野は、呼吸器内科の専門家らの見解を聞きながら、稲津と連携しつつ、国や自治体にどう配備を訴えるかについての考えをまとめ、党代表の山口那津男に進言。また、稲津は省内で、導入に向けた検討を促した。
4月6日、党対策本部で山口は、出席していた厚労省幹部らに強く迫った。「重症化の目安が分かるパルスオキシメーターをホテルなどに常備し、医療機関に搬送できる態勢を併せて整えてもらいたい」と。
厚労省は翌7日、この訴えを反映した「軽症者等の療養に関するQ&A」を発表。同14日に各都道府県で具体的に配備を進める事務連絡を出した。自宅療養者に関しても、稲津が5月13日の参院決算委員会での秋野の質問に対し「必要に応じて自治体などにおいても、ぜひ(自宅療養者の状態把握に)活用してもらいたい」と明言した。
国政での動きに各地の公明議員もすぐに反応した。例えば、東京都議会公明党は4月10日、都知事の小池百合子にホテルなどへパルスオキシメーターの配備を提言。同15日には都が補正予算案への計上を発表し、22日に成立した。これを受け都では現在、全ての療養者に配布し、朝夕に測定してもらい「悪化の傾向が見られれば、病院を受診してもらうなど早期の対応につなげている」(保健政策部)という。
最初に公明党へ現場の声を訴えた青年医師は、驚きを持って語った。「公明党はスピード感がすごい。命を守るために大切なことをきちんと実現していける政党だと実感した」(敬称略)
パルスオキシメーター
指先の皮膚を通して動脈血酸素飽和度と脈拍数を測定する。酸素飽和度とは、心臓から全身に運ばれる血液(動脈血)の赤血球中のヘモグロビンのうち、酸素と結合しているヘモグロビンの割合。肺や心臓の病気で酸素を取り込む力が落ちると数値が下がる。