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【主張】コロナと地方創生 分散型社会へ取り組み加速を
新型コロナウイルスの感染拡大は、人口や企業などが東京に過度に集中する弊害を浮き彫りにした。コロナ禍を契機に、地方分散型の社会を築く取り組みを加速させなければならない。
政府は、地方創生の方向性と施策をまとめた2020年「まち・ひと・しごと創生基本方針」を閣議決定した。
ただでさえ少子高齢化と人口減少が著しい地方が、感染症克服と経済活性化の両立をどう進めるか。基本方針が最も重視したのは、この点にほかならない。
施策の柱は、▽自治体独自の感染症対策などを支援する「地方創生臨時交付金」の活用▽地域と継続的なつながりを保つ「関係人口」の創出▽結婚・出産・子育てしやすい地域環境の整備――などだ。
特に注目したいのは、地方への移住・定着を促す「リモートワーク」の推進を掲げたことである。代表的な例が、職場以外の場所で仕事をするテレワークだ。
感染拡大後に実施された内閣府の調査によると、全国で3割以上の人がテレワークを経験したと答えており、コロナ禍を通じて、そのメリットが見直されている。
当初は、通勤による感染リスクを回避するために推奨されたが、東京一極集中を是正し、地方への移住や定着を促す手だてとしても期待は大きい。働き手は住宅費や通勤の負担が格段に軽くなり、ライフスタイルの選択肢も増える。企業にとってはオフィス賃料や交通費の削減、大規模災害時の事業継続などで利点がある。
このため基本方針では、地方におけるサテライトオフィスの開設や、テレワークの導入が遅れている中小企業への通信機器の設置支援などが盛り込まれた。しっかり取り組むべきである。
地方への移住・定着を進めるには、リモートワークの推進だけでは不十分だ。とりわけ若い世代を呼び込むため、地場産業の育成や教育環境の整備も忘れてはならない。
基本方針でも取り上げているように、地方の国立大学の定員を増やし、地域経済との産学連携を強化することが重要だ。人材を育成し、活躍の場を確保することも地方創生に欠かせない。









