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2020年7月18日

【主張】認知症の行方不明 早期発見へ地域の見守り重要

昨年1年間に全国の警察に届け出のあった、認知症やその疑いが原因による行方不明者は、前年比552人増の1万7479人に上った。

警察庁が統計を取り始めた2012年以降で過去最多となり、この7年で1.82倍に増加した事実を重く受け止める必要がある。

警察への全ての行方不明者の届け出に占める比率でも、昨年は初めて2割に達した。

認知症の行方不明者のうち、昨年中に所在が確認されたのは、18年以前の届け出分を含め1万6775人。行方不明中に亡くなったのは460人で、歩き回っているうちに事故に遭うケースもある。

行方不明者本人だけの問題ではない。安否が分からないことに対する家族の心労も絶えない。

大切なのは、認知症の行方不明者をできるだけ早く見つけ出すことだ。無事に自宅に戻れるよう手だてを尽くしたい。

一つは、地域ぐるみの見守り体制をつくることだ。

群馬県沼田市では、捜索願を出した家族の同意に基づき、警察署を通じて協力団体などに捜索依頼が届き、地元ラジオ局も緊急放送で捜索を呼び掛ける仕組みを構築、近隣町村とも連携し効果を上げている。これまで捜索依頼があった243件の行方不明者の発見率は、実に100%(死亡事例含む)だという。

このほか、行方不明になる恐れがある人の連絡先や特徴を自治体に事前登録したり、住民参加による不明者捜索の模擬訓練などを導入している地域もある。

ICT(情報通信技術)も活用したい。GPS(衛星利用測位システム)機器を認知症の高齢者に携帯してもらい、居場所の特定につなげている自治体もある。

こうした取り組みを参考にしながら、各地で対策を進めてほしい。

認知症の人は今後も増えるとみられており、5年後には700万人に達すると推計されている。高齢者の5人に1人の割合だ。新型コロナウイルスの影響で自宅に閉じこもりがちになると、認知機能が低下しやすいことも懸念される。誰もが当事者になり得るとの視点で取り組むことが大切だ。

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