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【主張】災害時の避難所 環境改善へ不断の見直し進めよ
大阪北部地震、西日本豪雨、台風21号、そして北海道胆振東部地震。列島はこの夏、いくつもの大規模災害に見舞われた。
被災地では発災直後、多くの住民が地域の避難所に身を寄せた。今なお避難所で日々を送る人も少なくない。長引くほどに疲労は深まるばかりだ。国や自治体は、避難者の心身ともの健康に十分目配りする必要がある。
とりわけ避難所の生活環境をどう整えるかは、避難者の体調に直結するだけに重要な課題である。
2016年の熊本地震では、発災後に体調を崩して亡くなる「災害関連死」が200人に上り、その多くが避難所生活をしていた。中には避難所を敬遠して車中泊を続けていた人もいた。こうした悲劇を繰り返してはならない。
内閣府の避難所運営ガイドラインには「約50人に1個のトイレを確保する」「マットや段ボール仕様等の簡易ベッドの導入をめざす」など、避難所の環境整備について具体的な考え方を明記している。
ただ、自然災害が激甚化し、頻発していることを考えれば、避難所の生活環境を不断に見直し、改善に知恵を絞る努力を怠ってはなるまい。
そこで注目したいのが「スフィア基準」だ。国際赤十字やNGO(非政府組織)らが、紛争や災害を想定してまとめた国際基準で、「1人当たりの居住スペースは3.5平方メートル」「トイレは20人に一つで男女比は1対3」といった具合に具体例を示している。日本のガイドラインより手厚い。
海外で、この基準を採用している国は多く、火山・地震国のイタリアでは、避難所にいる家族ごとにテントを支給したりホテルに宿泊させる体制まで整えている。
わが国では、徳島県が避難所運営マニュアルに、この基準の一部を盛り込んでいる。地域によって状況は異なるため、全ての自治体に一律に当てはめることは容易ではないが、少しでもこの基準に近づける努力は必要ではないか。
スフィア基準には「被災者には尊厳ある生活を営む権利がある」との理念が定められている。自宅に戻れない人が生活再建に向けて前向きになれるよう、質の高い避難所への改善を急ぐべきである。









