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住み慣れた地域に高齢者の住まいを確保
生活の支援と見守りも
東京・品川区
東京都品川区は8月から、高齢者の住まいを確保し、賃貸住宅の家主の負担軽減にも配慮しながら生活支援を行う「高齢者住宅生活支援サービス事業」を開始している。住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるまちづくりの一環で、「大きな安心が得られた」など高齢者に喜ばれている。
緊急対応や家財撤去で家主の不安や負担に配慮
「高齢者住宅生活支援サービス」は、住宅に困窮する高齢者に区が実施している「高齢者住宅あっ旋事業」の決定者のうち、生活支援が必要と思われる高齢者(生活保護受給者を除く)と利用契約を結びサービスが提供される。事業は区社会福祉協議会が担う。
サービス内容は、定期的に電話や訪問して連絡を取る「定期連絡」をはじめ、「生活相談」「緊急対応」「家財撤去」の四つ【表参照】。
利用料は2年間で4800円。緊急通報システムの月額利用料(所得により異なる)や通信料のほか、預託金(家財処分費)が必要で金額は世帯人数や広さによって異なる。預託金は転居した場合や施設に入所した際は全額返還される。また、安否確認などのため、居室の合鍵も預かる。
高齢者住宅あっ旋事業対象住宅に転居する際、不動産会社への同行や引っ越しも支援。利用者が緊急連絡先を提出できない場合は、区社会福祉協議会を緊急連絡先として登録できる。
家主に対しては、定期連絡の報告など日常的に連携を取り、緊急発報時には24時間体制で警備会社が駆け付けるほか、亡くなった場合の家財撤去も実施するなど負担軽減に配慮している。区高齢者地域支援課は「高齢者が住み慣れた地域で住宅を借りる手助けになれば」と語っていた。
区議会公明党(若林広毅幹事長)は高齢者が安心して地域で暮らし続けられるまちづくりを推進。新妻佐江子議員は、高齢者から「住まいを確保しにくい」という訴えを聞き、昨年10月の区議会決算特別委員会で「支援策を早急に講じるべきだ」と訴えていた。
住民の丹野道子さん(79)は「高齢になると賃貸契約の更新が難しく、住み続けることが大変になると聞いていた。公明議員の取り組みで大きな安心が得られた」との声を寄せていた。
新妻議員は「今後も利用状況や区民の声を聞きながら、事業の拡充に努めていきたい」と語っていた。