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2020年7月1日

プラごみ削減 地球を守ろう

全国に先駆 08年レジ袋有料化 
富山県

きょう1日から、全ての小売店を対象にプラスチック製レジ袋の有料化が義務付けになった。海洋汚染や地球温暖化につながるプラスチックごみの削減を加速させる狙いだ。これに先駆けて取り組んできたのが富山県。2008年、全国で初めて県としてレジ袋の無料配布を廃止。マイバッグ持参率が全国一の95%となるなど、目を引く成果を上げている。=中部支局・藤原誠一

マイバッグ持参率95%

富山市内のスーパーで、買った商品をマイバッグに入れる女性客

「かわいいでしょ!? 出掛けるときは、いつも持ち歩いてるの」。富山市内のスーパーで買い物を終えた70代女性の手元には、動物柄のマイバッグが。さらに、「たくさん買ったときは、これを使えばいい」と、折りたたみ式のマイバッグを取り出して見せてくれた。富山県でマイバッグ持参は当たり前の生活習慣だ。

富山県では08年のレジ袋有料化以前から、消費者団体やスーパーなど事業者がマイバッグ持参を呼び掛けていた。しかし、持参率は10~20%程度と低迷していた。

07年、消費者団体が「皆で協力し目に見える結果につなげたい」と協議会設置を県に要望。県の呼び掛けで6月に消費者団体、事業者、県・市町村による「レジ袋削減推進協議会」が設立され、レジ袋有料化へ向け検討が始まった。

当初、ほとんどの事業者が「お客さんが他の店に行ってしまう」と反対。消費者団体は、レジ袋削減が地球を守る上でいかに大切かを粘り強く訴えた。「環境を考えればそうした方がいい。他の店も一緒にやるのなら、参加したい」。事業者の心は動き、同年12月にレジ袋の無料配布廃止で合意。08年4月、28社208店舗がレジ袋を有料化した。マイバッグ持参率は事業開始から1カ月で9割を超えた。

有料化の対象は、材質を問わず全てのレジ袋。1枚の価格はスーパーが5円、クリーニング店は10円に統一。レジ袋代から原価を引いた収益金は、協議会が環境保全団体や地震被災地への寄付に活用している。

協議会設立し、意義を周知

県婦人会 岩田繁子 会長

2006年から富山県婦人会の会長を務め、レジ袋有料化のきっかけをつくった一人である岩田繁子さんに話を聞いた。

多様な水産物を育む富山湾、標高約3000メートルの雄大な立山連峰――。地球温暖化など環境問題が注目される中、県婦人会は「富山が誇る美しい自然を次世代に」との強い思いで、1997年からマイバッグ持参など省資源・省エネの啓発活動を始めました。チラシ全戸配布や環境講座などでマイバッグ持参を呼び掛けましたが、約10年続けても持参率は伸び悩みました。

停滞する状況を打破しようと07年、他の団体と協力して、マイバッグ持参を誓ってもらう署名運動を実施。6万5000人超が署名してくれました。こうした熱意が関係者の胸に響き、協議会設立や事業者が有料化に賛同する要因になったと感じています。

メディアを通じての発信や協議会によるチラシ全戸配布などで、有料化の意義を徹底したことも大きかった。県民に「環境を大切に」との意識が広がり、義務感でなく主体的な取り組みにつながりました。

無料配布廃止後、県民へのアンケートでマイバッグ持参の理由を聞くと「ごみを減らすため」「地球温暖化を防ぐため」との回答が多く、環境保全の意識が浸透していました。それまでの努力が報われた思いです。「地道な行動で社会は変えられる」と感激しました。

県民・事業者の環境意識が向上

レジ袋有料化によりマイバッグ持参が定着する一方、「持ち運びにくい」と敬遠する声もあった。協議会は18年、ストラップでかばんに付けられる折りたたみ式のマイバッグを作製。富山駅前や環境イベントで5000枚程度を配った。昨年には、折りたたむとポケットに入るサイズになるマイバッグを作り、企業と協力してマイバッグ持参が根付いていない若手の男性社員に配布した。

「レジ袋を使わないようにしたい」と思っていても、マイバッグを持たずに買い物に行けば、レジ袋を使うことになる。携帯しやすいマイバッグの普及は重要な観点である。

これらの工夫が実り、レジ袋を有料化している店における持参率は13年以降、95%を維持し、県によるとマイバッグ持参を推進する全国23県の中でトップの座にある。08年度からのレジ袋削減枚数は約15億7000枚と推計される。これは二酸化炭素(CO2)約9万6000トンの削減に相当する。レジ袋の収益による寄付金も累計約5000万円に達した。

マイボトル持ち歩きは88%

マイバッグにとどまらない。県が昨年、666人から回答を得たプラスチックごみに関する意識調査によると、外出の際にマイボトルを持参し、ペットボトル飲料を買わないようにする県民は88%。全国の31%(18年に環境省が調査)の3倍弱である。小売店に対する意識調査でも、野菜や果物など生鮮食品の提供に紙製包装などを使うと答えた割合が69%で、全国の40%(同)を上回る。県地球環境係の森友子係長は「『レジ袋を断る』という目に見える行動を通じて、環境意識が向上した」と語っている。

中島会長と意見を交わす吉田県議

レジ袋有料化が定着した13年、県は、地球にやさしい店舗をさらに広げようと「とやまエコ・ストア制度」を創設した。これに伴いレジ袋削減推進協議会は、同年から「とやまエコ・ストア連絡協議会」(中島恭一会長)と名前を変えている。公明党の吉田勉県議はこのほど、中島会長と懇談し、事業の成果などを聞いた。

エコ・ストア制度は①レジ袋有料化②資源物の店頭回収③環境に配慮した空調温度設定と業種別の実践項目――のどれか一つ以上に加え、清掃活動など店舗独自の環境配慮行動に取り組む店舗を登録するものだ。

現在、エコ・ストアは72社1077店(レジ袋無料配布廃止の店舗は57社993店)に上る。中島会長は「小売店におけるプラスチック製容器の削減、食品ロス削減など、地球のためにできることはまだある。国のレジ袋有料化は、一人一人の生活スタイルが変わるチャンス。地球を思いやる行動が広がってほしい」と期待を語った。

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