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広島土砂災害の被災地 砂防ダム40基 完成
防災・減災進め命守る
来春には関連工事も全て完了
広島市
2014年8月20日に発生した「広島土砂災害」から間もなく6年を迎える。被災した広島市安佐南区と安佐北区でこのほど、国が整備を進めてきた砂防ダム40基の本体が完成した。公明党の栗原俊二県議と西田浩、碓氷芳雄、川本和弘の各市議は17日、安佐南区八木3丁目に整備された砂防ダムを視察した。
広島市安佐南区八木3丁目に整備された砂防ダムを視察する(左から)西田、川本、栗原、碓氷の各議員
この日、栗原県議らが視察したのは、土石流などで42人もの犠牲者が出た安佐南区八木3丁目の現場。完成した砂防ダムは高さ14.5メートル、幅94メートル。下流には、ダムから流れ出た土砂をためる広大な空間「土石流堆積工」も整備された。これにより、25メートルプールの110杯分に当たる3万4000立方メートルの土砂を受け止めることができるという。
地元自治会長を務める村岡平吉さんは「立派な砂防ダムが整備され、地域の皆さんの間でも安心感が広がっている。公明党のおかげです」と話す。
広島土砂災害は2014年8月20日未明の集中豪雨により、広島市北部を中心に土石流や崖崩れが多発し、災害関連死3人を含む77人が犠牲になったほか、68人が負傷。住宅396棟が全半壊するなど甚大な被害に見舞われた。
国土交通省中国地方整備局は被災直後から、土砂崩れへの警戒が必要な両区の渓流30カ所を対象に砂防ダム40基の建設に着手。現在、土石流の流路や管理用道路などの整備といった関連工事を進めており、同整備局広島西部山系砂防事務所は「来年3月までに全ての整備を完了させる」(国時正博副所長)考えだ。40基の総事業費は約230億円。
公明党は、発災直後から山口那津男代表や太田昭宏国交相(当時)ら国会議員が相次いで被災地を視察するともに、国に砂防ダムの早期整備を強力に働き掛けてきた。16年9月には石井啓一国交相(当時)、19年10月には赤羽一嘉国交相も現地を訪れ、砂防ダム整備事業の進捗状況を確認。さらに国、県、市の議員が緊密に連携し、被災地の復旧・復興へ全身全霊で取り組んできた。
視察後、栗原県議は「住民の皆さんが安心して暮らせるよう、今後も防災・減災対策の強化に全力を挙げていく」と語った。