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2018年9月14日

てい談 盲ろう者が活躍できる社会へ

東京大学先端科学技術研究センター教授 福島智氏 
公明党女性委員会副委員長(参院議員) 佐々木さやかさん 
公明党障がい者福祉委員会委員長(参院議員) 山本ひろし氏

盲ろう者が活躍し、輝く社会へ――。盲ろう者として世界で初めて常勤の大学教授となった東京大学先端科学技術研究センターの福島智氏と、誰もが社会参加でき、互いに支え合う「共生社会」の実現に取り組む公明党の佐々木さやか女性委員会副委員長(参院選予定候補=神奈川選挙区)、山本ひろし障がい者福祉委員会委員長(同=比例区)の3人で、今後の盲ろう者支援について語り合ってもらいました。

障がいへの理解広げサポート充実を 福島

東京大学先端科学技術研究センター教授 福島智氏

山本 盲ろう者が安心して日常生活を送れるようにサポートし、自立と社会参加を促進する全国初の「盲ろう者支援センター」が東京に開設され、来年で丸10年となります。盲ろう者への理解は広がっていますか。

福島 盲ろうは、テレビで言えば、画面と音の両方が消えたようなもので、光と音を失い、情報を得るのが困難です。支援センターを開設したことで、これまで相談できなかった盲ろう者が、さまざまな情報を得て自立を目的とした生活訓練を受けられるようになり、社会とつながることができるようになったことは非常に大きい成果だと思います。

一方、「盲ろう」という言葉は、まだ浸透していません。支援体制も不十分です。そうした中、先の通常国会の参院予算委員会で佐々木さやか議員が盲ろう者支援について取り上げてくださったことをうれしく思います。

これに対し安倍晋三首相が盲ろう者の特性を踏まえて、コミュニケーションや情報取得、移動について支援に取り組むと答弁したことは、とても意義深く、極めて重要な一歩です。

佐々木 ありがとうございます。重複障がいがあっても社会参加できる「共生社会」の実現には、まず、その障がいについて知ってもらうことが大切です。盲ろうに対する国や自治体の理解を深める上で、相談窓口の開設を後押しし、支援センターの開設につなげていく決意です。

山本 現在、支援センターは東京都、兵庫県、鳥取県の3カ所しかなく、支援の取り組みで地域差があるのが現状です。

佐々木 そのために、今年から「盲ろう者の総合リハビリテーション・システム試行事業」が実施されます。この事業は国から委託された全国盲ろう者協会が中心となって、盲ろう者のための生活訓練を試行的に実施するほか、盲ろう児が利用する施設への訪問指導や保護者への専門相談などを全国規模で行います。

支援体制の地域差解消には、各都道府県で身近に相談できる支援センターの開設はもちろん、全国版の支援センターの開設も必要です。公明党として、しっかり取り組んでいきます。

福島 その通りですね。米国の「ヘレン・ケラー・ナショナルセンター」のような盲ろう者が社会参加するための国の施設ができ、各都道府県の支援センターとの連携が進めば、よりきめ細かな支援が期待できます。

「支援センター」増設で自立後押し 佐々木

公明党女性委員会副委員長(参院議員) 佐々木さやかさん

専門的な指導ができる教員養成を

山本 福島教授は日本で初めて盲ろう者として大学に入学されましたが、盲ろう者一人一人の可能性を伸ばす上で重要なのは教育です。

福島 盲ろう児教育に関する課題は大きく三つあります。

まず、日本の大学には盲ろう児教育の教員を養成するコースがありません。障がい児への適切な教育支援について研究を進める国立特別支援教育総合研究所(特総研)の研究員が、特別支援学校で訪問指導を行うこともありますが、研究員だけでは、全国の特別支援学校などをカバーできません。

佐々木 先日、特総研を視察しました。生まれつきの盲ろう児に対して、研究員が家を訪問し、教育指導したことによって、子どもが見違えるように笑顔になったと聞きました。親であっても、わが子にどう接していいのか分からないことがあります。改めて専門教育の重要性を感じました。

福島 二つ目の課題は、その盲ろう児に対する訪問指導が制度化されていないことです。一人一人の障がい特性やニーズに応じ、専門性の高い支援を制度として確立していただきたいと思います。

三つ目の課題は特別支援学校の人事異動の仕組みです。教員が盲ろう児に接してノウハウや経験を蓄積しても、同じ学校に長くはいられません。一定期間で機械的に異動させるのではなく、新しく配置される教員への引き継ぎ期間を十分に確保すべきです。

山本 大事な指摘です。特に特総研への支援などに対する国の予算を拡充して、よりきめ細かい支援ができるように全力を注ぎます。

可能性を伸ばす教育拡充に全力 山本

公明党障がい者福祉委員会委員長(参院議員) 山本ひろし氏

人権守り抜く公明党に期待

佐々木 盲ろう者など障がい者が社会参加しやすくなるには何が必要ですか。

福島 大事なことは学校や職場で障がい児・者と過ごす時間を増やし、障がいへの理解を深めることです。そして、教育を通じて障がい者一人一人の能力を最大限に引き出した上で、可能であるならば、その人を責任ある立場に配置することがカギを握ると考えます。

佐々木 具体的な事例を教えてください。

福島 東京大学では車いすの准教授が活躍しています。それに伴い、大学のバリアフリー化が進み、労働生産性の向上に寄与しています。

国会議員でも、もっと障がい者がいてもいいのではないでしょうか。

山本 民間企業で働いている時、全盲の人で研究職として活躍している人がいました。障がい者が活躍できる社会を当たり前にしなければなりません。先の通常国会では、障がい者の創作活動を応援する「障害者文化芸術活動推進法」を超党派で成立させることができました。文化、芸術などでも誰もが楽しめる社会の構築を公明党としてさらに推進していきます。

福島 障がい者雇用は決して「思いやり」ではありません。女性の社会参加が女性の権利であるのと同じように、障がい者の社会参加も権利です。女性の社会参加への意識が薄い日本で、障がい者への意識が広まらないのは当然です。障がい者支援が進んでいる国は、女性の社会参加に向けた施策も進んでいるのです。

佐々木 公明党の女性議員は全所属議員の約3分の1を占めますが、今後も増えなければいけません。社会的に弱い立場に置かれた人のためにどこまでも手を差し伸べていく。これが公明党の使命だと考えています。

福島 そうした公明党らしさを存分に発揮し、人権を守る政党として活躍することを期待しています。

指点字

今回のてい談で、福島教授は「指点字」で会話を行いました。指点字は、福島教授の母・令子さんが考案したもので、盲ろう者とのコミュニケーション方法の一つ。

読み手の左右3本ずつの指(人差し指・中指・薬指)を、点字タイプライターの六つのキーに見立てて、キーを打つように相手の指に触れることで、文字や言葉を伝えることができます。慣れると、日常会話と同様の早さで情報のやり取りができます。

ふくしま・さとし

1962年、神戸市生まれ。9歳で失明、18歳で失聴、全盲ろう者となるが、83年に東京都立大学(現・首都大学東京)に合格、日本で初めての盲ろう大学生となる。同大学院博士課程単位取得満期退学。同大助手、国立金沢大学助教授、東京大学先端科学技術研究センター准教授などを経て、2008年に現職。全国盲ろう者協会理事、世界盲ろう者連盟アジア地域代表。盲ろう者として世界で初めて常勤の大学教授となる。

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