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【主張】唾液でコロナ検査 医療現場の負担軽減へ普及急げ
新型コロナウイルスに感染しないよう配慮しながら、経済活動の再開が本格化している。19日には、都道府県をまたぐ移動の自粛も全国で緩和され、多くの観光地がにぎわいを取り戻しつつある。
とはいえ、人の往来が活発化し、交流が盛んになれば、感染が再び拡大するのではないかとの懸念は拭えない。
現に、東京都内では依然、30人前後の新たな感染者が確認される日が続いている。他の自治体でも、新規感染者の確認例が後を絶たない。
重要なのは、感染者が早期に見つかり、他人と接触しないようにすることだ。そのための検査体制の一層の拡充を急ぐ必要がある。
鍵となるのが、唾液を検体として使用する検査の普及である。
厚生労働省は2日、新型コロナウイルス特有の遺伝子が含まれているかどうかを調べることで、感染の有無を判定するPCR検査に、唾液を検体として使用することを認めた。
同様に、厚労省は18日、ウイルス特有のタンパク質の有無を調べて、感染しているか判定する抗原検査にも、唾液の検体使用を認可した。抗原検査はPCR検査よりも精度は劣るが、簡易なキットを用いて、わずか15~30分で判定できる。
唾液を用いた検査には、医療従事者の感染の危険性を抑えられるという利点がある。
従来は、PCR検査と抗原検査の双方とも、綿棒のような道具で鼻の奥を拭って採取した粘液を検体としていた。
この方法だと、患者はせきやくしゃみをしやすく、医療従事者が二次感染する確率が高い。そのため、マスクや目の防護具に加え、防護服も着用しなければならなかった。
唾液の場合、患者は試薬の入った容器に唾液を入れ、手渡すという形になる。医療従事者は、マスクと手袋だけ着用すればよい。熱中症が心配される季節に、防護服を着なくて済むというのは大きい。
しかし、普及の状況は心許ない。唾液を使ったPCR検査は、今月15日の時点でわずか339件にとどまる。唾液による抗原検査の体制整備もこれからだ。何が普及の妨げになっているのか、問題点の洗い出しを急ぐべきだ。









