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【主張】経済活動の自粛緩和 感染第2波への警戒、十分に
政府は19日から社会経済活動の自粛緩和を次の段階に進め、都道府県をまたぐ移動を全国で解禁したほか、1000人までのイベントの開催なども可能とした。
ただ、東京などでは連日、新型コロナウイルスの新規感染者が報告されており、感染のリスクがゼロになったというわけではない。再度の流行を招かないよう、慎重に行動しなければならない。
厚生労働省が16日に発表した、新型コロナの感染歴を調べる抗体検査の結果では、陽性率が東京で0・10%、大阪で0・17%、宮城で0・03%にとどまり、大半の人が抗体を保有していないことが明らかになっている。
この結果は、感染拡大の第2波が襲来すれば、誰もが新型コロナに感染する可能性があることを示しており、十分な警戒が必要だ。
私たち一人一人が、できる限り密閉・密集・密接の「3密」回避を心掛け、人との距離の確保や手洗いなどの徹底、マスクの着用といった「新しい生活様式」を実践していくことが大切であろう。
人々を受け入れる事業者側も、業種別に示されている感染予防のガイドラインを順守し、徹底した対策を行ってもらいたい。
新型コロナの感染者と濃厚接触した可能性を知らせるスマートフォン向けの「接触確認アプリ」も、19日から利用できるようになった。感染第2波への備えとして政府が新たに導入したものだ。
同アプリはスマホのブルートゥース(無線通信)機能を活用し、利用者同士が半径1�b以内に15分以上いた場合、各端末に記録が残る。感染者が陽性判定を受けたことを登録すると、2週間以内に接触の記録があった全ての端末に通知が届き、症状の有無や身近な人の状況に応じて検査の受診などの案内も受けられる。
プライバシーに配慮し、位置情報など個人が特定される情報は記録されない。
同アプリは利用者が多ければ多いほど、感染者の早期発見につながる。政府はアプリの特性を丁寧に周知し、積極的な利用を促してほしい。
同時に、通知を受けた人が不安にならないよう、相談窓口の充実や検査体制の強化をさらに進めるべきである。