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新型コロナ 府の休業要請「対象外」にも支援金
最大で法人100万円、個人50万円
大阪府
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う政府の緊急事態宣言の全面解除から約3週間。長期にわたる外出自粛の影響を受け、苦境に立たされている企業や個人事業主への支援が喫緊の課題となる中、大阪府は休業要請の対象外だった事業者にも独自の支援金給付事業を始めている。推進した府議会公明党(肥後洋一朗幹事長)はこのほど、理容室や個人タクシーを営む関係者から喜びの声を聞いた。
5月27日から申請受け付けを開始した「休業要請外支援金」は、府の休業要請を受けていた飲食店や遊興施設などの事業者を除く中小企業やその他の法人(NPO法人など)と個人事業主が対象。府外に本社がある法人も含まれる。
主な条件は4月の売り上げ、または4~5月の売り上げの平均が前年同期比で50%以上減少していること。これを満たせば府内に2事業所以上を持つ中小法人に100万円、1事業所なら50万円を支給。個人事業主はそれぞれ半額を支給する。
府商工労働部によると、申請件数は約5万件(6月10日現在)に上る。申請期限は今月末まで。今月中の給付開始をめざしている。
休業要請外支援金については、府議会公明党が5月14日に吉村洋文知事へ申し入れるなど、一貫して実現を推進してきた。
営業継続の理容室店主「背中押してくれた」
「好きな仕事が続けられる」と支援金の給付を喜び合う小笠さん夫妻と中村府議(左)
「店を閉める覚悟もしていた」。こう語るのは、大阪市住吉区で半世紀にわたり理容室を営む小笠久夫さん(79)、真弓さん(75)夫妻。理容室は休業要請の対象から外れ、店内の消毒や換気など感染予防に配慮しながら、緊急事態宣言下の4~5月も営業を続行。しかし「年配の常連さんが多いので、感染を恐れて一人も来ない“開店休業”の日が数多くあった」(真弓さん)。月々の家賃など固定費を考えれば、まさに綱渡りの状態だったという。
専門家による申請サポートも好評
濱本会長(左端)らから喜びの声を聞く(右から)大山、藤村両府議
今回、支援金の給付に加え、行政書士など専門家による申請書類の事前確認にかかる費用も府が負担する。パソコン操作に不慣れな高齢の個人事業主らが円滑に申請を行えるよう、公明党が提案していたもの。
中村広美府議はこのほど、夫妻の店を訪問。久夫さんは「まだまだ夫婦二人三脚で元気に頑張る。そのための背中を押してくれた」と笑顔を見せていた。
一方、理容室と同じく休業要請の対象外だった個人タクシー。全大阪個人タクシー協会によると、新型コロナの感染拡大前は一日の平均売り上げが約1万5000円だったが、2月以降大きく落ち込み、4月は7~8割減少したという。
同タクシー協会の濱本民夫会長は4月、藤村昌隆、大山明彦両府議の仲介で府に対し補償などの支援策を要望していた。濱本会長は「今も客足は完全に戻っていない中だが、現金商売の私たちにとって支援金は本当にありがたい」と公明党の後押しに感謝していた。