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芸術家の動画配信に補助
活動を支援、県民に鑑賞機会
ピアノやパントマイムなど
兵庫県
井戸知事(左から8人目)に緊急要望する県議会公明党・県民会議=3月25日
兵庫県は現在、新型コロナウイルスの影響により、公演や展覧会などの中止が相次ぎ、活動の場が大幅に減少している芸術家(団体)の活動支援と、県民への鑑賞機会提供を目的に、ユーチューブ(動画投稿サイト)や会員制交流サイト(SNS)などを活用した動画配信の補助事業の利用者を募集している。①芸術文化活動機会促進動画配信②ひょうごアーティスト動画配信③県民芸術劇場――の3事業で、受付期間は6月30日まで。
このうち「芸術文化活動機会促進動画配信事業」は、県内に活動拠点を有し、1年以上活動している芸術家(団体)が新たに出演・制作した動画をユーチューブやSNSに掲載・発信するために必要な経費を支援する。補助額は1件5万円。募集枠約50件に対し、現在、プロのピアニストやパントマイムの演者など約20件が申し込んでいる。
また、「ひょうごアーティスト動画配信事業」は、県内の新進・若手のアーティストが新たに出演・制作した動画(5~15分程度)を募集。制作費(個人に9万円、団体に上限25万円)を補助し、作品をユーチューブの兵庫県芸術文化協会専門チャンネルに掲載・配信する。既に約40件の問い合わせがあり、ピアニストの演奏と生け花の動画の申請が受理されており、6月中旬ごろの動画アップをめざしている。
このほか、「県民芸術劇場事業」は、管弦楽や演劇、バレエ、舞踊、ミュージカル、能楽などの団体が県民向けにPR動画を作る際に、制作費(1件25万円)を助成する。
県議会公明党・県民会議(谷井勲幹事長)はこれまで、井戸敏三知事に対する「新型コロナウイルス感染症対策に関する緊急要望」の中で、公演・イベント中止や活動自粛が続く芸術文化関係者への支援策の実施・強化を主張。知事側から前向きに検討する考えを引き出していた。