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2020年6月11日

【主張】福島の帰還困難区域 地域再生への選択肢を広げたい

福島の復興へ新たな道を開く一手となるか。今後の推移を見守りたい。

東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示が続く福島県内の帰還困難区域について、政府は、放射線量が基準を下回っていれば、除染を実施していない場合でも避難指示を解除できるよう要件を見直す方向で検討している。

これは、帰還困難区域を抱える自治体から、完全な除染を待たずに区域内全体の解除を求める声が上がり、自民、公明の与党両党が先月下旬に、現状の制度や枠組みにとらわれず、新たな避難指示解除の仕組みの構築を急ぐよう要請したことが背景にある。

原発事故から9年以上が経過し、自治体ごとに復興の進捗が異なる中、地元の意向を尊重して地域再生への選択肢を広げる意義は大きい。

政府は避難指示を解除する要件として、▽線量が年間20㍉シーベルト以下に低下▽インフラ整備や除染の進展▽地元との十分な協議――を定めている。その上で、最終的に区域全域の避難解除を掲げている。

帰還困難区域は、県内7市町村の約340平方㌔に及ぶ。政府はこのうち、約1割を再び人が住めるよう整備する復興拠点(特定復興再生拠点区域)とし、2022~23年の解除をめざしている。

一方で、政府は復興拠点を除く地域の避難指示解除の道筋を示していない。復興の先行きが見通せない現状は早急に打開する必要がある。

要件見直しを求めた飯舘村には、除染を前提とすれば避難指示解除の実現に長い時間がかかり、復興が前に進まないとの危機感がある。

そこで早期復興を優先して、復興拠点の外に復興公園を整備する案を打ち出し、完全に除染されなくても村内の帰還困難区域を一括で解除してほしいとしている。

いわば、苦悩の中で絞り出した提案であり、政府は真摯に向き合わねばならない。要件を見直す場合でも、住民の安全性の確保は当然である。

また、従来通りに除染した上で区域全体の解除を求める自治体もあるため、それぞれの意向を踏まえた対応が欠かせない。

政府には、地域ごとの実情を考慮しつつ、丁寧に議論を進めるよう求めたい。

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