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病床確保、検査強化を
病院経営の破綻防げ
全自動PCR 導入促せ
次の感染ピーク見据え
家賃支援 対象に“今年創業”も
衆院予算委で石井幹事長代行
衆院予算委員会は9日、安倍晋三首相と全閣僚が出席し、新型コロナウイルス感染症対策を盛り込んだ2020年度第2次補正予算案に関する基本的質疑を行った。公明党の石井啓一幹事長代行は、本格的な感染拡大の第2波、第3波を見据え、病床確保など医療提供体制の拡充や検査・監視体制の強化などを「全力で進めなければならない」と力説。安倍首相は「医療現場で感染症対策を徹底しつつ、地域医療を継続できるようにしていく」と述べた。
石井氏は、第2次補正予算案で自治体が医療体制強化に使える「緊急包括支援交付金」を大幅に拡充したことを評価した上で、今後の感染ピーク時に必要な病床数の推計を早期に示し、余裕を持って確保するよう要請。院内感染を心配した受診回避などによる医療機関の経営悪化で「次の感染拡大前に経営破綻による医療崩壊が起こりかねない」として、地域医療を守る観点から、感染症患者専用の重点医療機関以外に対しても十分な支援を求めた。
加藤勝信厚生労働相は、地域医療の継続には「コロナ対応を行う医療機関のみならず、その他への支援も必要」との認識を示し、病床確保に関して、今回、重点医療機関向けに作る制度の「弾力的な活用も考えたい」と表明した。
検査体制の強化で石井氏は、PCR検査の迅速化などに貢献する全自動検査装置の導入を促すよう提案。加藤厚労相は、導入に向けた同交付金の活用を自治体に働き掛けていくと述べた。
石井氏は、感染判明者との接触を通知する「接触確認アプリ」について、国民への丁寧な説明を通じた導入促進を主張。治療薬・ワクチンの開発では「海外の動向を注視し、実用化のめどが立つものについては、わが国でも臨床試験を実施するなど前広に、積極的に導入を」と求めた。
一方、石井氏は、感染拡大で前年と比べて収入が半減した中小企業などを支援する「持続化給付金」について、主な収入を雑所得や給与所得として計上してきたフリーランスにも対象が広がることに言及。円滑な支給に向け、事業収入の確認を簡潔にするよう求めた。
また、昨年の収入と比較できない今年創業の事業者への対応が課題になっていたことに触れ、任意のひと月の収入が今年1~3月平均の半分以下であれば、同給付金の対象に加えられることを確認。店舗の賃料負担を軽減する「家賃支援給付金」も、今年創業した事業者に支給するよう求め、「手続きはなるべく簡素で必要最小限に」と促した。
梶山弘志経済産業相は、支給要件について「詰めを行っている。できるだけ早く発表したい」と述べた。