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2020年6月9日

【主張】核兵器政策の変容 保有国は拡大抑止の考え捨てよ

核抑止とは、核攻撃に対して核兵器を使って応戦することであり、その結果として破滅的な惨劇を招くことが想定されるから、核兵器の使用を思いとどまるというものではなかったか。

例えば、米国のオバマ前政権が2010年4月に公表した核兵器政策の基本指針「核態勢見直し」(NPR)では、核兵器の「基本的な役割」は、自国や日本など同盟国に対する核攻撃の抑止であると明記されていた。

一方、ロシアのプーチン大統領が今月2日に承認した核抑止政策の原則では、通常兵器による攻撃に対しても、核兵器の使用を認める可能性があると明らかにしている。

これは、核兵器の拡大抑止への道を開く、危険な考え方だ。唯一の被爆国である日本は、あらためて核兵器がもたらす被害の甚大さを世界に訴えて、核兵器廃絶の機運を盛り上げていくべきだ。

ロシアに限らず米国も、核兵器が絶大な威力を誇るが故に、核攻撃だけでなく、生物・化学兵器や通常兵器による非核攻撃も抑止したいと考えてきた経緯がある。

オバマ前政権のNPRでも、核拡散防止条約(NPT)に違反する国が生物・化学兵器を用いた攻撃をした場合に限って、核兵器を使って反撃するとしていた。

トランプ政権が18年2月に発表したNPRでは、核兵器に比肩するほどの抑止効果を持つ兵器は他にないとし、核兵器の役割は非核攻撃の抑止を含むと解釈できるような方針を示している。

現在、トランプ政権は爆発力を抑えた「低出力」の核弾頭の実戦配備を進めている。これは、いわば、通常兵器のように使用できる核弾頭であり、より多様な事態に核兵器を用いて対処していこうとする姿勢の表れである。

25年前にNPTが無期限延長された際、米英仏ロ中の核兵器保有5カ国は、非核兵器保有国を核攻撃しないと約束する「消極的安全保証」(NSA)を実施するとした。しかし、非核攻撃にも核兵器を使用するのであれば、非核兵器保有国が核攻撃の対象になる恐れがある。

核兵器保有国は、NSAを実施する意思を今一度、明確にすべきである。

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