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2020年5月30日

「普通学級へ」母の願い 届く

授業に補聴システム導入 
聴覚障がい児に配慮 
佐賀・鳥栖市

聴覚障がいのある児童が教師の言葉を十分に聴き取れるよう、佐賀県の鳥栖市立麓小学校で4月から、補聴援助システムを取り入れた授業を実施している。導入を推進してきた公明党の飛松妙子、池田利幸の両市議はこのほど、授業を視察した。

麓小学校の授業を視察する飛松(中央右)、池田(同左)の両市議

新型コロナウイルスの影響による臨時休校や分散登校をへて、14日から再開した鳥栖市立麓小学校。新1年生の教室で、人工内耳に補聴援助システムの受信機を装着した田中孝多郎君が担任の話に目を輝かせていた。

話し手が身に着ける送信機

人工内耳を持つ子にとって、多数の声が行き交う教室や、話し手との距離が離れている体育館などでは、相手の言葉を聞き取りにくい場合が多い。補聴援助システムは、話し手が身に着ける送信機(ワイヤレスマイク)と、本人の補聴器や人工内耳に装着する受信機を使い、聴覚障がい者の補聴を助けるもの。ワイヤレスマイクから送信された音声を受信機でキャッチし、送信された言葉を聴き取る。

飛松市議は昨年6月、孝多郎君の母・智子さんから「補聴援助システムを使って、地元の普通学級の授業を受けさせたい」との相談を受けた。飛松市議は早速、市の教育委員会に要望。その後も、粘り強く進展状況を確認するなど、今回の導入に結び付けてきた。

麓小学校の西川哲也校長は「長期間の休校が明け、障がいの有無に関わらず児童がリフレッシュして元気に登校している」と話す。孝多郎君は、「先生の声がよく聴こえてうれしい」と笑顔を見せていた。

補聴援助システムは、田中さんの自己負担で購入したものであることから、飛松市議は「今後、小学校側でも購入し、常備されるよう取り組む」と話していた。

環境を整えるため昨年9月に条例

2016年4月に施行された「障害者差別解消法」では、障がいによる差別をなくすため、就学先を決定する際も、当事者や保護者の意見を尊重することが義務化されている。

鳥栖市では法律の精神にのっとり、昨年9月、「共に学び成長する子ども条例(通称)」が市議会で公明党を含む全会一致で成立。支援が必要な子どもの教育環境を整えることを推進し、障がいのある子どもが特別支援学校だけでなく、地域の普通学級へも就学しやすくなるよう取り組んでいる。

条例の制定に当たり、公明市議らは精力的に市民の声を反映させようと説明会を開催。この中で、障がいのある子どもの親から「普通学級に通わせたい」との声が多く寄せられていた。飛松市議は、昨年9月の議会質問で、障がいのある子どもに多様な学びの機会を保障するよう強く求めていた。

この鳥栖市の条例は、昨年11月に開催された地方自治体や市民の活躍を表彰する「第14回マニフェスト大賞」(主催=マニフェスト大賞実行委員会)の審査委員会特別賞にも選出されている。

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