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2020年5月27日

新型コロナ禍で進むか 障がい者のテレワーク

通勤負担 避けられる 
「精神・聴覚・視覚」雇用減を懸念

新型コロナウイルスの感染拡大以降、新しい生活様式の一つとして出社せずに自宅で働く「テレワーク」の導入や社会への浸透が進む。一方で、障がい者の中には、もともと通勤自体が難しいことから仕事を諦めざるを得なかった人もいる。コロナ禍で障がい者の就労に変化は起きるのか。課題を探った。

自宅で仕事に打ち込むAさん。「やりがいがある」と語る=大分市

大分市に住む女性Aさん(42)は手足のしびれや筋力の低下などの症状を引き起こすCIDP(慢性炎症性脱髄性多発神経炎)という病気と闘っている。

20代で一度、仕事に就いたが、毎日の通勤は思ったよりも体への負担が大きく、1年で退職した。その後も、働きたいという思いを持ち、ハローワークや障がい者の就労施設を訪ねたが、通勤や通所が高いハードルとなり就労に結び付かなかった。

転機が訪れたのは数年前。知人の紹介で、障がい者のテレワークを支援するNPO法人「在宅就労支援事業団」(熊本市)と出合ったことだ。現在は、在宅でパソコンを使い、事務作業などに携わる。Aさんは、「(コロナ禍でも)スムーズに仕事に取り組めている。通勤の負担もなく、テレワークを選択して良かった」と働く喜びを実感している。

同事業団は2003年に法人格を取得。テレワークをめざす身体や知的、精神障がい者らに対して、企業から請け負った仕事を発注するほか、障がい者雇用をめざす企業とのマッチングや学習支援、スキルアップなどをサポートしている。だが、年間に受け入れることのできる利用者は限られ、人員や設備の関係から最大で20人程度という。

企業と本人つなぐ支援の場が必要に

障がい者のテレワークを支援する在宅就労支援事業団の職員ら=鹿児島・霧島市

障がい者のテレワークを支援する国の制度がある。仕事を発注する企業に対し、調整金や報奨金を支給する在宅就業障害者支援制度だ。同事業団と同様に厚生労働相の認可を受けた「在宅就業支援団体」が橋渡し役を担うが、その数は全国22団体(19年6月現在)にとどまる。

同事業団の田中良明理事長のもとには、全国から障がい者のテレワークに関する相談が寄せられ、ニーズは高いと強調する。その上で、「企業と障がい者をつなぐ支援や障がい者自身の訓練の場の整備が遅れている」と語る。

精神障がい者の訪問看護事業からスタートし、就労支援にも取り組む「株式会社JSH」(東京都中央区)の山田平和取締役は、新型コロナウイルスの拡大におけるテレワークの導入によって、新たな課題に直面すると指摘する。

障がい者雇用では、障がいの特性に応じたケアが重要になる。特に、精神障がい者については、対面で会話することによる精神面へのフォローが欠かせない。

テレワークで、実際に顔を合わせることが少なくなれば、企業にとってもサポートが難しくなる。山田取締役は、「精神だけでなく、聴覚や視覚障がい者の雇用が減少し、就労に“格差”が生まれるのでは」と懸念を示す。

厚労省、「在宅」活用事例を通知

障がい者のテレワーク推進については今年度、国の補助を受けた「在宅就業マッチング支援」の事業を大阪府、兵庫県、大分県の3府県が実施。一般企業への雇用をめざす障がい者就労の事業所を対象に、情報通信技術を活用した在宅利用の整備を進めている。

また、新型コロナウイルスの影響によって現在、全国の就労支援の事業所でテレワークの導入や検討が進んでいることから、厚労省は今月13日、在宅就労での支援事例をまとめ、各事業所に通知した。

障がい者のテレワーク。その課題を克服し、就業機会の拡大につなげられる支援が求められている。

多様な働き方、選べる社会へ

公明党障がい者福祉委員長 山本博司 参院議員

在宅就業支援団体や就労施設などに国や自治体が業務の委託を優先的に行うよう義務付けた、障害者優先調達推進法の実現など、障がい者の就労に公明党は光を当ててきました。

コロナ禍で社会の仕組みが変化を求められる中、障がい者や難病患者がテレワークを含めた多様な働き方を選べることはとても重要なことです。

公明党はこれまで、在宅障害者支援制度の支給基準の緩和による企業の発注額増加や就労移行支援の在宅利用の実現などを進めてきました。

今後は、新たな課題を見据えた支援体制を一層強化し、誰もが輝ける共生社会の実現に全力を挙げます。

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