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【主張】自転車利用の増加 歩行者、車とのすみ分けが課題
自転車を安全に利用できる環境整備を急ぎたい。
新型コロナウイルス感染症対策として「3密」の回避が求められる中、改めて自転車利用への関心が高まっている。通勤や運動、飲食宅配代行サービスなどでの利用が増え、特に都市部でシェアサイクルの需要や自転車の販売、メンテナンス依頼の増加を伝える報道が目立つ。
自転車は手軽で安価な上に健康増進や交通渋滞の緩和、環境負荷の低減など利点が多い。公明党のリードで2016年12月に自転車活用推進法が成立するなど、国も利用を後押ししている。コロナの教訓から感染症対策の目的も加わり、さらに利用が増えることは間違いない。
NPO法人自転車活用推進研究会などが自転車愛好家を対象に実施した調査(速報値)によると、経済活動再開後は通勤・通学に「自転車を使う」と回答した人が50.9%に上り、コロナまん延前の37.6%から大幅にアップした。愛好家が対象とはいえ、一定数が公共交通機関からシフトすることは明らかだ。
懸念されるのは、自転車利用中の事故が増えることだ。 警察庁などによると、19年に全国で発生した自転車関連の交通事故は8万473件で減少傾向にあるが、東京都内は1万3094件で16年以降、逆に増加している。
歩行者相手の重大事故では高額な賠償金を請求されるケースも相次いでいる。都は4月から自転車保険の加入を義務化した。同様に取り組む自治体は増えているが、この際、国として保険加入の義務化を検討してはどうか。
道路の整備も重要だ。欧州では、コロナ対策として自転車利用を奨励すると同時に、自転車専用レーンの整備を加速化する動きがある。米ニューヨークでは、自転車の利用者同士が互いの間隔を保てるよう交通量が減った一部の車道を閉鎖し、自転車用に開放しているという。
日本でも自転車専用レーンの整備が進められてはいるが、既存の車道を維持したままでは限界があると指摘されている。車道と歩道が分離されていないところも多い。
歩行者や自動車とのすみ分けをどう進めるか。知恵を絞る必要がある。









