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2020年5月27日

コラム「北斗七星」

母は以前、沖縄プロレスに所属した。数カ月後、東京のマットに復帰するが、教訓に触れる機会はあっただろうか。「ヌチガタナーハンサリーティン、クトゥバーハンサラン(抜いた刀は外せても、言葉は外せない)」◆言葉は、刃よりも人を傷付ける。SNS上での中傷に悩んでいたとされる人気プロレスラー、木村花さん(22)が23日に死去した。幼い頃から母に付いて回り、身体を張った興行を嫌ったが、気が付けば同じ道へ◆コロナ禍で一人、スマホを手にする時間が増えた。そこに不特定多数の批判や中傷が、瞬時に送り付けられる。開かなくても、断罪のような通知音が鳴り響く◆出所も、真相もあやふやな情報が飛び交うコロナの時代である。米マサチューセッツ工科大の調査によると、最も遠くへ、速く、深く拡散する情報は「怒り」という。今回の件を受け、高市総務相は26日、匿名発信者の特定を容易にするなど「制度改正を含めた対応をスピード感を持ってやっていきたい」と述べた◆花さんの得意技に、「ハイドレンジア(紫陽花)」という卍固めがある。かつてのパートナーを破った帰り道、咲いていた花から名付けた。今年の梅雨は、母子が降らす涙だ。花を見る度に、言葉を発することの重みを、情報を扱うことの危うさを、思うことだろう。(也)

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