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2017年12月19日

中小企業 事業継ぎやすく

与党 税制を抜本拡充
株式の相続税100%猶予など

中小企業・小規模事業者の経営者が代替わりをする際、後継者にかかる税負担を軽減する「事業承継税制」の抜本的拡充など手厚い支援が実現へ――。自民、公明両党が14日に発表した2018年度与党税制改正大綱に盛り込まれた事業承継税制のポイントや、公明党がこれまで進めてきた事業承継支援の取り組みなどを紹介する。

事業承継税制拡充のポイントは主に四つ。

第1は、円滑な資産継承による後継者の負担軽減だ。現行では、中小企業の発行済み株式総数の3分の2を対象に相続税額の80%まで納税を猶予している。これでは、実質、53%程度(3分の2×0.8)の猶予にとどまる。

今回の大綱では、全ての自社株を対象に、100%の納税を猶予する。これにより事業承継時、後継者の支払い負担は実質ゼロになる。

第2に、猶予の適用対象の拡大だ。現行では「先代経営者から受け継いだ分」「筆頭株主が受け継いだ分」にとどまる。

この適用対象を拡大し、例えば、経営者である父親だけでなく、母親からの株式承継も可能にする。筆頭株主だけでなく複数の子どもが相続する場合も猶予対象となる(最大3人まで)。

第3に、会社を廃業する時などに支払い義務が発生する、猶予分の税負担の軽減だ。現行では、会社を引き継いだ時の株式価値に基づいた税額を納付する。しかし、納税猶予期間中に株価が下がる可能性がある。

このため、廃業時の株価で税額を計算し直して、その差額を減免することとした。

第4に、納税猶予の適用条件の抜本的な見直しだ。現行では、納税猶予を続けるための条件として、5年間の平均で8割の雇用維持が必要で、未達成の場合は全額納付を求められる。

今回、雇用要件が未達成でも、納税猶予を実質的に継続できる仕組みに緩和する。中小企業庁では、未達成の理由が経営悪化などによる場合、商工会議所など認定支援機関の指導や助言を受ける規定を設けることなどを検討中だ。

127万社が休廃業の危機

中小企業庁によると、今後10年間で、経営者が70歳を超える中小企業・小規模事業者は約245万社。うち、約半数の127万社で後継者が決まっていない。このまま放置すると、廃業が急増し、約650万人の雇用、約22兆円の国内総生産(GDP)が失われる可能性があると試算する。

こうした背景から、公明党は事業承継税制の抜本的な拡充を強く訴えてきた。

経済界も「画期的」と高く評価

今回の与党税制改正大綱に盛り込まれた事業承継税制の抜本的な拡充に対し、経済界から歓迎する声が上がっている。

日本商工会議所は14日、三村明夫会頭名で、「承継時における納税負担がゼロとなる等、画期的な制度へと抜本的に拡充されたことを大いに歓迎する」とコメントを発表。全国商工会連合会も15日、石澤義文会長名で「大きな前進であり高く評価する」と表明するとともに、雇用要件の緩和などを挙げ「後継者の将来への不安やリスクが大幅に軽減されることとなり、円滑な事業の承継が進むものと期待される」と述べている。

後継者が見つからない時は…「引継ぎ支援センター」に相談を

事業承継支援は、税制面だけではない。その代表例が、経営者と承継希望者の橋渡し役を担う「事業引継ぎ支援センター」の整備だ。現在、全国47都道府県に1カ所(東京は2カ所)設置されている。

同センターでは、後継者不在に悩む経営者に対し、事業承継の実務に精通した中小企業診断士などのスタッフが、事業承継の促進・円滑化を図るため、課題の解決に向けた適切な助言や、情報提供などをワンストップで行う。

相談を踏まえ、経営者が第三者への譲渡を希望した場合は、センターが仲介業者を紹介したり、同センターの「後継者バンク」に登録されている、承継を希望したい意欲のある起業者とのマッチング支援を行う。

同センターの相談実績は、今年11月末までの累計で2万2631社に上っている。

公明、一貫して推進

公明党は、事業承継支援の拡充を一貫して主張し、実現してきた。

例えば、01年度税制改正では、小規模事業者用宅地を親から相続する際、相続税の課税価格を減額する適用面積を拡大。02年度には、取引相場のない自社株式について、相続税の課税価格の10%を軽減する特例の創設をリードした。

08年5月には、事業承継税制の抜本拡充を含んだ「中小企業経営承継円滑化法」が成立。中小企業が持つ非上場株式にかかる相続税について、一定の雇用要件のもと、相続税の80%の納税が猶予される制度が創設された。これにより、相続税の負担が大きく軽減されることになった。

その後、15年8月に同法が改正され、後継者が親族外でも中小企業・小規模事業者の事業を承継しやすくなったほか、「事業引継ぎ支援センター」の全国展開などが進められてきた。

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