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2020年11月11日

弱視を見逃さないで

3歳児健診に検査機器 
母親の声から公明議員が実現 
本紙の記事を参考に 
愛知・大府市

屈折検査機器について説明を受ける(右から)浅田さんと国本、柴崎両市議

愛知県大府市は今年度から、3歳児健康診査の視力検査に斜視、遠視などの弱視を発見する屈折検査機器を導入した。従来の検査では弱視を見逃す可能性があったが、今回の機器導入により、見逃し防止が期待できる。これは、小学校入学前の検査で長女に遠視が見つかった浅田由紀子さん(同市在住)から相談を受けた公明党の国本礼子市議の要望で実現。柴崎智子、国本両市議と浅田さんはこのほど、市保健センターでの3歳児健診を視察した。

屈折検査機器は、屈折異常や斜視を数秒で測定する。以前に3歳児健診を受けた子どもでも、大府市保健センターに連絡すると無料で検査できる。健診に訪れていた母親は「すぐに検査でき、より正確な結果が分かるので助かる」と喜んでいた。

大府市は愛知県のマニュアルに基づき、家庭で視力検査を行い、3歳児健診の際に結果を申告することにしているが、これだけでは目の異常に気付けない可能性がある。日本眼科学会のウェブサイトによると、弱視の子どもは見えにくい状況が当たり前として育っているため、「見えない」「見えにくい」と訴えることがほとんどないからだ。

厚生労働省は2017年、3歳児健診での視力検査が適切に実施されるよう都道府県などに対して文書で連絡した。それによると、子どもの目の機能は6歳までにほぼ完成するため、3歳児健診で異常を見逃してしまうと視力が回復できないことがあるという。これに対し、3歳児健診で弱視を発見できれば、矯正眼鏡などの方法で就学までに治癒することが期待できる。

今回の機器導入のきっかけをつくったのは、3人の子どもがいる浅田さんの声だった。16年、小学校入学を控えた長女が就学時健診を受けた時、視力が0.7以下だと判明。その後、幼稚園の“ママ友”から、こんな話を聞いた。「3歳児健診で弱視だと分かり、矯正眼鏡をかけて視力が回復し、眼鏡が必要なくなった」と。浅田さんは「もしも3歳児健診で異常が見つかっていれば、長女の視力はもっと良くなっていたかもしれない」との思いを抱き続けてきた。

昨年4月の統一地方選で初当選した国本市議は選挙前、予定候補として市民の声を聞く中で、浅田さんの願いを知った。浅田さんは「家庭での視力検査は難しい。長女には間に合わなかったが、弱視を早期発見できるよう3歳児健診を改善してほしい」と要望した。

当選後、国本市議の目に留まったのが本紙7面の記事(昨年6月6日付)。千葉県船橋市が弱視を発見する機器を3歳児健診に導入したことを報じていた。同市議は、船橋市の公明市議に事情を聞き、昨年9月定例会でこの機器の導入を要望した。

浅田さんは「機器の導入は早期発見につながるので良かった。議員がすぐに動いてくれてありがたい」と感謝していた。

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